swatanabe’s diary

ラノベ創作、ゲーム、アニメ、仕事の話など。仕事はwebメディアの仕組み作り・アライアンスなど。

回想シーンを魅力的に見せる方法

なるべくブログを更新しようと思い直し、ちょくちょく書いていこうと決めた矢先。BBCFが面白くなってしまって、なかなか捗りません。

 

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仕事と週末プロジェクトの合間にナインのチャレンジモード挑戦中。先ほど#3Expertをクリアして残り2つまで来ましたが、#9Expertで足止め食らってます。OD後の3Cまではわりと安定したけど、そのあとのシーモスゲート→5D→カーディナルノヴァが拷問すぎる。そこだけ切り出せば結構うまくいくんですが・・・ここでかなり時間かかりそう。

 

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さて。今日は以下のブログを拝見して面白くなってきたので、死亡フラグの定番・回想の機能性のお話。

 

katoyuu.hateblo.jp

 

ちなみに、ここより先では "文章のみ" で回想シーンを描く前提で話を進めます。

 

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回想には、前後のギャップを生み出す効果があります。走馬灯なんか想像していただくとイメージしやすいでしょう。

ポイントは、あくまで「ギャップ」である点。だからネガポジを問わずに使えます。定番の負けフラグとしても、また真逆の勝ちフラグとしても。

その魅力を知る上で参考になる最近の作品としては、久保帯人先生の『BLEACH』かなと。回想の妙を詰め込みに詰め込んだ作品だと思います。

 

で。

回想を効果的に使う上では、いくつかコツのようなものがあるのかなと思っていまして。ざっと思いついたものを書いてみると、

  1. 複数の過去を用意する
  2. 回想の中でもギャップを意識する
  3. 現実と回想をクロスさせる

こんなところかなと。

補足しておきますと、この3つが回想を書く上で必須というわけではありません。回想の持つ力を効果的に引き出す上で、手っ取り早くて楽というだけです。

 

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1について。

回想する過去がひとつより複数のほうが効果的だと思います。それによってギャップがより強まるからです。

念のため補足しておくと、作中に複数の回想シーンを別々に挿入するのではなく、一つの回想シーンの中に複数の過去の話を盛り込むという意味です。

ただ、必須かというとそんなことはありません。

そもそも数を増やす目的は、ギャップの力を強めるためなので、それが達成できればどんな方法でもいいかなと。単純に数を増やすのが手っ取り早いだけです。

実際、いろんなラノベを読んでみると、回想に盛り込む過去はひとつだけど、その表現や言葉選びを工夫して演出力を強めている作品はたくさんあります

 

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2について。

回想とはギャップによる演出ですから、肝心のギャップが大きくなければ意味がありません。よって、回想シーンに盛り込む過去も「上げて落とす」「落として上げる」のいずれかを意識して、ギャップのもとになる感情を高めると効果的だと思います。

  • 過去1:落とす
  • 過去2:上げる
  • 過去3:さらに上げる

こんな構成イメージ。適当な例を上げてみますと、

  • 過去1:1年生のとき友達ができなかった
  • 過去2:2年生のときヒロインと出逢って楽しい学校生活が始まった
  • 過去3:3年生のとき告白してOKをもらった

的な。

同じ種類(上げる or 落とす)の過去だけ用意しても、その数でギャップを強めることはできます(それが1の話)。でも、それぞれの過去どうしでギャップを意識することで、よりギャップが活きるかなと。

 

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3について。

回想シーンの挿入の仕方には大きく、

  • 回想シーンのみを独立させる
  • 現実のシーンと回想シーンをクロスさせる

の2つがあると思います。両者を厳密に線引するのは難しいのですが、話者の重心が回想にあれば前者、現実にあれば後者だと考えてください。

先にあげた『BLEACH』は、週刊連載の都合だと思うのですが、主に前者を採用しています。後者の例はパッと思い出せませんが、たしか『りゅうおうのおしごと!』の名人戦4戦目がそのような演出だったかと。あと、昨日ようやく読みはじめた『ダンまち』最新刊の前半、アンフィスバエナとの一戦でも似たようなシーンがあった気が(たしか春姫の回想?)

 

現実と回想をクロスさせるメリットは、熱量を高めやすいことです。

回想が演出するのは、現実のシーンとのギャップです。で。そこが目的なら、現実の温度感と回想シーンの温度感を明確に比較できる形で演出する=両者のシーンをクロスさせるのがベターではないかと思うのです(これはロジックというより、感覚的な部分が大きいですね)

実際、両者をクロスさせた演出は、負けフラグでも勝ちフラグでも、とても効果的だと感じます。特にスピード感あるバトルなどのシーンと回想シーンをクロスさせると、熱量の高まりが半端ないです。これは個人的に好きでよくやります(新人賞の評価としても結構有効なテクニックでした)

 

逆にデメリットは、回想それ自体の演出に文字数を割けない点でしょうか。

この見せ方の場合、話者の重心はあくまで現実にあります。よって、物語を進めるのは現実側の描写の仕事です。

そのため回想シーン(=現実側でない描写)に文字数を割くと、肝心の話が進まなくなります。説明描写が多くなって物語のテンポが悪くなるのと同じですね。そのため回想の描写にそこまで文字数を割けません。

よって、回想シーンを挿入しても唐突感・後付け感が生まれないよう、事前に必要な設定を出す、回想シーンそれ自体の魅せ方を工夫するなどの必要があります。

 

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ほかにもいくつかあるのですが(クロスさせるとき同じテンポと表現を意識する、現実側の描写はセリフのみにする、など)、うまいこと言語化できないので、とりあえずこのへんで。

 

眠いので、寝ます。