swatanabe’s diary

ラノベ創作、ゲーム、アニメ、仕事の話など。仕事はwebメディアの仕組み作り・アライアンスなど。

なぜwebメディアの運営でスピード感が重要なのか

近況
  • おひさしぶりです。
  • 転職しました。今もwebメディアの世界にいます。今まではPVを稼いでアドネットで売り上げる仕事でしたが、今はメディアの有料会員を増やすのがミッションとなりました。マーケティング的な要素の重みがより強くなったので、なかなか苦労しています。イヒ。

 

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このあいだ知人経由で「なにをやってもPVが伸びない……」と悩んでいる会社の担当者を紹介されました。

同社のメディアは、月間で300万PVほど。売上のメインはアドネットワーク。直近はディスカバーの流入がデイリーほぼゼロにまで落ち込み、検索流入も激減。フィード周りは前月の数字がそのまま横滑りといった状況。何も良い兆候がないそうで、どうしたらいいのか話を聞きたいという感じでした。

個人的には、月間300万PV=デイリー10万規模のメディアなら、悩むより先に手を動かしたほうが絶対いいと思うので、それだけ言って終わりにしたかったのですが、知人の顔もあるので、そこは我慢(笑)。とりあえず話を聞きましたが、本音のところはそんな感じです。

 

同社のメディアは、よくも悪くもスマートに仕事をしているタイプ。たとえば、狙うべきキーワードをちゃんと考えて、各キーワードで書くテーマをリストアップし、各テーマの具体的な見出しを考え、ライターに発注する、そんな感じ。SEOをちゃんと考えて仕事しようとするベンチャーに多いパターンですね。

この進め方、一見すると良さそうなのですが、個人的にはデメリットのほうが大きいと思っています。皆さんはどうでしょう?

 

事前にがっつりマーケティングして、製品の方向性や内容を詰めるという仕事の進め方は、メーカーやゼネコン、SIのような企業なら妥当だと思います。商品が完成したら後には戻れない上、失敗した時のダメージが大きいので。

ですが、webメディアのコンテンツはそのようなことはありません。リライトできますし、新しく書き起こすこともできます。それが良いか悪いかは別として。だから、キーワードをがっつり調べるくらいなら、なんとなく来そうなテーマをガンガン書いて公開して反響を確認するほうが、圧倒的に早くて効果的です。

ここで肝なのが、この「反響を確認する」の部分。

先の会社のような仕事の進め方は、SEOについてちゃんと考えてコンテンツを作っているといえば聞こえはいいのですが、そのアルゴリズムは公開されていないので、当然ですがいくら考えても答えはわかりません。それなら、すぐにコンテンツを公開して反響を確認して、進むべき方向性を見定めたほうが、結果的にSEOとしてもうまくいきやすいです。仮説はいくら考えてもしょせん仮説ですが(その精度は上げられますが)、反響は明確な事実。事実に基づいた仕事のほうが、精度が高いのは当然ですね。

ユーザーの求めているであろうものを公開し、実際の反響を確認。認識がずれていそうであれば、それを修正。改めて反響を確認。こんな感じですね。

webメディアは、この反響を公開した次の日には得られるスピード感が最大の武器。これを生かさない手はありません。しかし、それを実践できているメディアは、意外と少ない気がします。

 

またスピード感が大事な理由は、目標達成という点からもあります。

事業の目標はだいたい月で切られます。ですから、たとえばSEOのキーワード探しなどコンテンツの方向性の模索に1週間とかかけていたら、それだけでもう月の1/4が終わってしまうわけです。そこからライターに発注してなどやっていたら、月の半分くらいは消化してしまうでしょう。これでは到底、目標を意識した仕事などできません。

ユーザーのことばかり見ていて、自社のことが見えていない、そういうメディアは意外と少なくない印象です。

 

webメディアを伸ばすにはという話をすると、だいたいコンテンツの話だけで終止する企業が多いように感じますが、個人的には、こうした組織的な仕組みをどれほど突き詰められているかのほうが重要だと思っています。

もっとも、上記のような反響をベースにコンテンツを制作する仕組みを敷ける組織には、一つの条件があります。それは、ある程度の資金力とマンパワーがあるという点。

記事数がデイリーで5本とか10本程度では、信頼性ある反響を得られません。よって、ある程度の記事数をコンスタントに確保できる資金力やマンパワーが必要です。言い換えれば、資金力とマンパワーがメディアの(特に短期的な)成長には欠かせません。逆に言えば、長期的にゆっくり伸ばしていこうというメディアは、このあたりはそこまで意識しなくても問題ありません。

 

つまるところ、自分たちのwebメディアをどういったペースの成長曲線で伸ばしていくのかによって、必要な資金力やマンパワーは変わってくる(というか変えるべき)というわけですね。しかし、このあたりを意識して予算を組んだり、人員を確保したりするのは決して容易ではありません。だからこそ、このあたりをしっかり徹底できるwebメディアは、やっぱり強いです。

 

といったところで、いったん終了。眠い頭で適当に走り書きしているので、後でところどころ書き直すかもしれません。

 

とりあえず、そんなところです。

眠いので、寝ます。