swatanabe’s diary

ラノベ創作、ゲーム、アニメ、仕事の話など。仕事はwebメディアの仕組み作り・アライアンスなど。

甥っ子が突然サッカーを止めた話

Jリーグ開幕しましたね。筆者はサッカーほとんど詳しくないのですが、ちょうど夕飯時にテレビでやっているのもあり、シーズン中の土日はよく見ています。

で。開幕戦を眺めていて、ちょっと思い出した話を。ただの日記です。タメにならないし、面白くもないし、まとまりも結論もないです(ふだんタメになること、面白いこと書いてんのかというのは置いといて)

 

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筆者の甥っ子は小学生のころ、地域のクラブチームでサッカーと野球をやっていました。ですが、中学のあるときにサッカーをやめて、野球一本になりました。

とつぜん止めてしまったので「どっちもあんなに好きだったのに、どうしたんだろう」と思い、姉(甥っ子の母)に聞くと、どうやら某テレビ番組に出演していたプロの選手のコメントを目にして「なんか嫌になってしまった」そう。番組名は、いちおうここでは伏せておきます。

同番組の録画を見せてもらったのですが、ある試合での日本の戦いぶりを振り返ったものでした。出場した選手へのインタビューが中心で、当時の選手たちのリアルな心境を伺い知れて、個人的にはおもしろかったです。

そして、その中である選手が某試合の失点シーンを振り返りながら「あそこはファールしてでも止めるべきだったのかもしれない」と、重い口を開いていました。

これが、甥っ子がサッカーを「なんか嫌になってしまった」コメントでした。

 

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甥っ子は潔癖といいますか、悪いことが嫌いです。ルールを守るのは当然で、ルールにないことは、少しでもグレーなら「やってはいけない」と考える、そんなタイプ。個人的には良い子に育ったなと思う一方、「将来、苦労してしまいそうだな」という不安も正直あり・・・。

そんな甥っ子だからこそ「ファールしてでも止めるべきだったのかもしれない」は、納得できなかったのだと思います。

もっとも、この発言「だけ」をきっかけに「なんか嫌になって」しまって、サッカーと別れたわけではありませんでした。所属していたチームの指導方針や戦い方、コーチとの信頼関係とかいろいろあって、もともと少し気持ちが離れていたようです。

そのタイミングで上記のコメントを見て「勝つためには、やっぱりそういうスタイルが正しいのかな」と思い、次第にサッカーへの思いが萎んでいき(そういうスポーツならやりたくないと)、やがて消えてしまった、そんな感じでした。

 

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筆者もどちらかというと甥っ子に近しい考え方(ルールにないグレーなことはNGと判断)なので、その気持ちがわからなくもありません。

昔、陸上部だった話を別でしましたが、選んだ理由は「誰にも邪魔されないから」でした。要はファールなどの外的要因で邪魔されるのが嫌だったのです。

陸上競技は、短距離ならレーンが分かれていますし、フィールド競技はソロプレイなので、最も純粋に互いの実力で勝負できる(外から介入してくる要因が少ない)スポーツだと感じて選びました(中距離以上は話が違いますが)

 

ただ、そんな自分ですが、甥っ子ほど潔癖症にはなれないのが正直なところです。

理由は、あるサッカー選手へインタビューさせていただいたときに聞いた話です。

 

一度目のフリーライター時代、元Jリーガーの方と一緒に仕事をさせていただく機会が何度かありました。サッカースクールのプロモーション、主催大会のプログラム企画や運営協力などいろいろやらせていただき、とても楽しかったです。

で。あるとき「講演会のスライドを作ってほしい」と頼まれ、そのインタビューをさせていただきました。幼少期から選手時代の話、その後の指導者時代の話までたくさん面白い話を聞かせていただき、とても楽しかったです。

中でも、最も印象に残ったのが、次の言葉でした。

 

「海外のチームと初めて試合をしたとき、あまりの気迫に殺されるかと思った」

 

その方によれば、海外のチームはハングリー精神が凄くて、サッカーに命がかかっている選手も少なくないそう(生活に直結しているという意味で)。だから、試合が始まると死にもの狂いで勝ちにくるので、その気迫も当然、規格外。あまりにも想定外の迫力に「試合中なのに思わず足が震えた」とのことでした。

 

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この話を聞いてから、筆者はサッカーのみならず、スポーツにおけるファールの見方が正直、少し変わりました。

プロをして「殺されるかと思った」と言わしめるほど、文字通りすべてを賭けている選手たち。それだけの覚悟を背負っている人どうし戦うわけですから、無意識に当たりがファールと判断されるほど激しくなってしまうこともあるのではないか、と。

もっといえば、大半のファールってそういう結果、生まれてるのかな、と。

 

思えば、どんなスポーツでも、選手たちは「どこまでやったらファールなのか」正確にはわからないと思います。その判断をつけるためにいるのが、審判でしょうから。

完全に足を引っ掛けたり、ユニフォームを引っ張って相手を倒したりするなど、ひと目でファールと分かる行為もあれば、レフェリーの判断に従うしかないグレーゾーンのプレーもあるでしょう。

 

このグレーゾーンのプレー、昔なら「いやいやファールの可能性があると分かってるのにやるのはダメだよね」的な印象を持ったと思います。

ですが、今は「選手としては全力でプレーするしかないよね。どっちかわからないんだから」と思うようになりました。

判断はレフェリーにしかできない以上、そこは素直にレフェリーに委ね、ファールなのか判断がつかないプレーも含めて全力でプレーする。それがプロの選手として自然な姿なのかな、と。

 

先のインタビューのコメント「あそこはファールしてでも止めるべきだったのかもしれない」も、筆者の耳には、なんとなく「あるいはファールになるかもしれないプレーに行ってでも、止めに行くべきだった」のようにも聞こえました。グレーゾーンの限りなくブラックに近い境界を見極めているような印象。

もちろん、これは筆者の主観というフィルターを通した結果であり、ご本人は100%ファールなプレー(ユニフォームを引っ張って倒すとか)で止めるつもりだったのかもしれませんが。欧州サッカーなどだと、失点を防ぐためにファールをしなかったことがミスになるような考え方もあると聞くので。

サッカーのファール観は、いろいろ奥が深そうです。

 

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とにもかくにも、甥っ子は自分の意志でサッカーと決別する道を選んだので、周りはそれを応援するだけ(うちは基本、放任主義)。全力で野球を頑張ってくれればと思います。

以上、予告通り面白くもためにもならない結論もまとまりもない話でした。

 

とりあえずそんなところです。

眠いので、寝ます。