swatanabe’s diary

webライター、ラノベ書き(アマ)。だいたい創作とゲームとラノベの話です。

『PSYCHO-PASS』の設定の説明が説明臭くなくて凄い

ラノベのプロットを作るときは必ず『PSYCHO-PASS』を繰り返し見ています。設定をどう説明するのか、魅力的に見せるにはどうすればいいのか、いろいろ教えてくれる作品だと思っています。

というわけで、今日はそのあたりを個人的な備忘録として。

 

 

1. 冒頭に世界観の中心となる設定の説明を持ってくる

アニメ第1話は、朱の着任から最初の事件の解決までを描いてますが、作品世界の中心を成すシビュラシステムやドミネーターなどの紹介(説明)に焦点が当てられています。

  • ドミネーター
  • シビュラシステム
  • サイコパス
  • 潜在犯
  • 監視官 / 執行官
  • 犯罪係数

第1話でコアとなる設定の説明を終わらせ、第2話以降は純粋にストーリーを見せる、ハッキリ線を引くことで第2話以降は覚えることが(ほぼ)なくなり、純粋にストーリーに集中できます。

 

2. 用語解説は「説明+キャッチフレーズ」で端的に

通常、説明を多く突っ込むと説明臭くなるリスクがありますが、同作の第1話は決してそんなことはありません。なぜなんでしょう?

 

要因の一つは「説明から説明臭さが取り除かれているから」かなと思っています。

第1話で、宜野座が「執行官」について朱に説明するシーンを例としますと、彼は次のようなセリフを使います。

  • これから会う人間を同じ人間と思うな(キャッチフレーズ)
  • 犯罪係数が規定値を超えた人格破綻者(説明)
  • 本来なら潜在犯として隔離されるべきところを、ただ一つ許可された社会活動として、同じ犯罪者を駆り立てる役目を与えられた(説明)
  • 奴らは猟犬。獣を狩るための獣。それが執行官(キャッチフレーズ)

必要な説明だけじゃなく、説明上は必要ないキャッチなフレーズもあります。そのため単に説明してるだけのシーンなんですけど、何回でも聞きたくなります。

単語一つひとつの選び方も良いですよね。飾り過ぎず、でもつい耳が傾く。

 

3. 基幹となる設定には、受け手が想像しやすい名前をつける

第1話を見るたび、いつも「すごいなぁ」と思うのが、あれだけ設定を突っ込んでるのに、ストーリーの進行を阻害することなく、すんなり説明されてる点。

その要因の一つは、設定の名前にあると思っています。

たとえば、潜在犯とか犯罪係数って、その単語だけ聞いても何となく「こういうものかな?」とイメージがつきます。パラライザーなんかもそうですね。「打たれたら痺れるんだろうな」と。

で。征陸が朱にドミネーターの説明をする時、

  • 狙った相手のサイコパスを読み取る銃。
  • 相手が潜在犯だった場合のみ、セーフティが解除される。
  • 基本モードならパラライザー。打たれても動けなくなるだけ。

そうした想像の効く言葉だけを使っています。それより前に「潜在犯」などの具体的な説明はどこにもありません。

でも、この説明を聞くだけで「ドミネーターを向けると、相手が危険人物かどうかわかる。で。打つと相手は痺れて動けなくなる」ことがわかります。正確には視聴者側で想像できます。

この「伝えたいメッセージ」と「視聴者の想像」が大きなギャップなくリンクするの、ほんと凄いなぁと思うんですよね。絶対に説明が必要なのはドミネーターやシビュラシステムくらいで、それ以外は想像でもわりと何とかなるという。

 

物語に欠かせない、でも大きく絡まない要素は、このおかげで説明の必要がなくなります。たとえば、街頭スキャナー、内装ホロ、ホロコス、セラピー、ストレスケア、色相チェック、ドローン、エリアストレスなど。

こうした細かい設定も逐一説明すると、説明ばかりの作品になってしまいます。そこで大事なのが、やはり名前。一般名詞から成る名前だと、話の流れの中で意味がピンとくるんですよね。

世界観を壊さない、でも聞き慣れた(意味内容を想像しやすい)一般的な単語を組み合わせて名称を考えるのが大事なんだなと思います。

 

4. シーンで説明できる設定はシーンで説明する

すんなりした説明を実現している別の要因です。

第1話で「犯罪係数」を説明する言葉は出てきません(確か)。かわりにあるのが、朱が征陸にドミネーターを向けるシーン、縢が犯人を撃つシーンです。

後者を例とすると、縢がドミネーターを相手に向けると、日高さんが「犯罪係数オーバー190。執行対象です。セーフティを解除します」としゃべります。このセリフ一つで犯罪係数がなにかは分かりますよね。朱のほうでセーフティが解除されないケース、縢のほうで解除されるケースと分けているのも、なるほどなぁと思います(もっとも、そういう意図で入れられたシーンではないと思いますが)

世界観・ストーリーにすんなり入っていけるよう、言葉で説明するシーンを減らす工夫が随所に見られるのも『PSYCHO-PASS』の凄いところだと思います。

まったく関係ないですけど、日高さんの演技いいですよね。

 

とりあえずこんなところで。

眠いので寝ます。