swatanabe’s diary

ラノベ創作、ゲーム、アニメ、仕事の話など。仕事はwebメディアの仕組み作り・アライアンスなど。

「クラウドワークスで仕事が取れません」という副業ライターの悩みに答えてきた話

近況
  • シンフォギアって、ホントいいですよね。
  • SHIROBAKOって、ホントいいですよね。
  • 夏目友人帳って、ホントいいですよね。

 

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少し前、知人を介して、ある副業ライターさんのお話をうかがいました。本業の勤め先は都内の有名なIT企業。会社が副業を奨励しているので、せっかくだから始めてみようと思い立ったそうです。

副業にwebライターを選んだのは、もともと書くことに興味があったから。でも、ライターを募集しているメディアが見つからず、とりあえずクラウドワークスで案件を探してみようと思ったそうです。

 

でも、最近は「仕事が取れなくて・・・」とのこと。

 

厳密には、以下のような流れを経て、仕事が取れなくなったそうです。

  • 会員登録後、早速いくつかの案件に応募して、仕事をもらう。でも、最初の1〜2本で契約が終わってしまい、依頼が続かない
  • いくつかの案件を受けた後、いくら応募しても採用されなくなった
  • 過去にやった仕事の評価はオール★5

 

それで「どうしたらいいんでしょ?」と知人に相談したところ、筆者のもとへ話が届きました。最初は断ったのですが(もうずいぶん使っていないので)、知人には世話になった恩もあるので、あくまで参考程度の意見という条件つきで、少しだけ話をさせてもらいました。以下、その概要です。

 

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話が上手くまとまらないので、少し関係ない昔語りからスタートします。

筆者が受注者としてクラウドワークスを使っていたのは、2013年から1年弱。もう遠い彼方の話です。その後、発注者として何度か使う機会がありましたが、いずれにしても、基本的にもうユーザーではありません。

ちなみに、最終的な受注は20数件、評価は5.0でした。

 

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 (クラウドワークスより引用)

 

1年弱で使わなくなった理由は、同サービスの評価システムが有効に機能しておらず、「ここにいたら井の中の蛙で終わる」と感じたから。具体的には、以下のようなイメージです。

  • 相互評価システムのため、片方が悪い評価をつけたら、もう片方も悪い評価をつけるか、評価しないことになりそう
  • そのため、よほどのことがない限り、サイト上での自身のアカウントの見え方を気にして、お互いどんな相手にも高い評価(オール5)をつけそう
  • そのため、どんな納品をしても評価5がもらえて、実力がないのに「自分は実力がある」と勘違いするリスクがありそう
  • というか、たぶんみんな面倒くさくて、よほどムカついたりしない限り、★5をつけていると思われる。

いずれも仮定の話なので、事実はわかりません。とにもかくにも、筆者はこうした背景からクラウドワークスを使うのを止めました。

 

ただ、発注者としてライターを募集した感触を踏まえると、あながち間違っていなかった気もしています。プロクラウドワーカーに認定されていたライターでも、実務に耐える方はほとんどいなかったからです。数百件の受注があって、評価が4.9とかのライターでも、そういう人はけっこういます。

具体的にネックだった点としては、

  1. 基本的な日本語が書けない(主述や"てにをは"が理解できていない、など)
  2. 全体的に冗長(リード文が長い、同じことを繰り返している、など)
  3. 文章が不必要に長い
  4. 文脈がなくて読みにくい(理由なく1行で改行している、など)
  5. 内容が薄く、個性や愛がない(表面的なデータや事実を集めただけで終わっている、など)
  6. エビデンスが取れない(そもそもエビデンスってなに? というライターも意外と多い)
  7. 記事を書く上で必要なルールを理解していない(著作権や医療広告ガイドラインを無視している、など)

ざっと思いつくのは、こんなところです。

言い換えれば、こうした「基本」を押さえるだけで、あっさり仕事が取れるようになる気がします。そこが抜け落ちているライターが多いので。

 

あと、応募の際のコミュニケーションもちゃんとしないと、たぶん仕事は取れません。少なくとも筆者は発注側として、そこも厳しく見てました。

具体的には、以下のようなライターは、それだけで二の足を踏みます。

  1. 応募要項を読んでいない(ポートフォリオを求めているのに送ってこない、など)
  2. 基本的なコミュニケーションが怪しい(あいさつができない、質問にちゃんと答えられない、など)
  3. 自己PRがやる気アピールだけ

3については「過去に商業実績ないなら仕方ないんじゃないか?」と思われるかもしれません。ただ、ブログを書いて送るなど、実力を伝える手段はいくらでもあるので、それはやったほうが良いです。筆力の判断材料がないと、まず採用されません。

 

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応募の際の注意点として、もう一つ、ポートフォリオについて。

これまでの応募者を拝見した限りの個人的な印象ですが、多くのライターは「自分が一番よく書けた」と感じている記事を、ポートフォリオとして送っている気がします。

ですが、それだけでは不十分な=発注側が依頼を決断できないケースが多いです。少なくとも、応募先のメディアと近しいジャンルの記事を送るとか、そのメディア向けに数本サンプル書くとかしたほうが良いと思います。

 

また、あくまで筆者の場合ですが、発注側としてポートフォリオを見る際、それ以外に以下を気にしています。

  1. 記事の内容(先ほど列挙したような点が見られないか)
  2. どんなメディアで書いた経験があるか

1はさっき書いたので、ここでは2の話を。

2では、具体的に以下のような点を見ます。

  • メディアの他の記事
  • 同メディアにどのくらい関わっているか(期間)
  • 同メディアでどのくらい書いているか(本数)

早い話、ちゃんとしたメディアから継続で依頼が来ているライターかを見てます。発注側に話を聞いた感じ、1〜2本で契約が終了したライターは、「採用してみたけど、実力が足りなかった」という決着になっている可能性が高そうだからです。

 

余談ですが、クラウドワークスにどっぷりだと、ポートフォリオの点からも好ましくないと思います。

というのも、ハフポスさん、ブロゴスさん、ねとらぼさん、CAMP HACKさん、どんなメディアでもいいですが、ちゃんとしたメディアは、クラウドソーシングでライターを募集しないと思います(その手の募集を、筆者はほとんど見たことありません)。クラウドソーシングにあるのは基本、コタツ記事案件でしょう。

発注側としては、やっぱりちゃんとしたメディアで書いているライターは、それだけで安心感があります。そこから継続して仕事を受けているなら、なおさら。

だから、クラウドワークスで受注実績を積み上げるくらいなら、そういうメディアから仕事を取れるように筆力を磨いたほうが、将来的には有益だと思います。

 

なお、「ちゃんとした」というのは「知名度がある」ではなく、「先に列挙したようなネックのない記事が上がっている」という意味です。念のため。

 

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もっとも、副業ライターの場合、そこまでガッツリやる人はいないでしょう。周りの副業ライターを拝見した感じ、多くの人は「空いた時間に数本書いて、月に2〜3万円くらい入ればいいな」という感じだったので。

この場合、クラウドワークス上で定期的にライティング案件を発注しているアカウントをいくつか押さえておいて、案件がないかちょこちょこ確認するくらいで十分だと思います。そうして「受注実績の件数」(評価ではなく)が積み上がっていけば、クラウドワークス上では目を引く存在になれるでしょう(上に列挙したようなネックが見られない記事が書ければ)

 

とりあえず、そんなところです。

眠いので、寝ます。