(以下、ネタバレ満載です。未プレイの方、ご注意ください)
仕事のせいで積みゲーと化していた『BLUE REFLECTION』をようやくクリアしたので感想がてら雑記をば。ネット上では全体的に低評価だった印象ですが、個人的にはめっちゃ楽しかったです。
ストーリー
主人公は白井日菜子(しらい・ひなこ)。上の画像の真ん中の女の子です。
彼女はバレエの特待生として物語の舞台である星ノ宮女子高等学校への入学が決まっていましたが、足をケガして二度と踊れなくなってしまいます。ゲームはバレエを失ったショックでしばらく不登校になっていた日菜ちゃんが、意を決して高校に通うところからスタート。
入学後、日菜ちゃんはなんやかんやあって、クラスメイトの司城夕月(ユズ。画像の日菜ちゃんの右下の子)と司城来夢(ライム。同・右上の子)が、人間の集合的無意識が生み出した異世界「コモン」で魔物と戦う魔法少女「リフレクター」であることを知ります。
ちなみにコモンとは、こんな感じ(↓)の世界です。
このコモンには「フラグメント」というものがあります。簡単にいえば、学校の生徒たちが心に秘めている本音のようなものです。
たとえば、部員が非協力的で文化祭の出し物が決まらないことにイライラしているテニス部員がいるとします(実際ゲーム内にいます)。彼女がその事態をどう思っているのか、みんなにどうしてほしいのか、そうした本音がフラグメントです。
このゲームでは、重い悩みや問題を抱えて、感情が不安定になったり挙動が不審になったりする生徒がたくさん出てきます。日菜ちゃんたちは、コモンで彼女たちのフラグメントを「固定化」して(理解して受け入れて)あげることで、みんなの悩みや問題を解消していきます。
では、なぜそんなことをするのか?
そうしないと世界が滅んでしまうからです。
彼女たちの世界は「原種」と呼ばれる凶悪な魔物の脅威にさらされていて、対抗するためにはフラグメントを集めて力をつける必要があります(固定化したフラグメントはFF7のマテリアみたいなもので、日菜ちゃんたちの力となります)
原種は、こんなの(↓)です。ぜんぶで4種類います。
では、なぜ日菜ちゃんは、こんな危険なことに協力したのか?
それは原種をすべて倒せば、たった1つだけなんでも願いがかなうからです。
もう一度バレエを踊れるようになりたい、その想いから日菜ちゃんはリフレクターとしてユズとライムに協力し、原種討伐を頑張ります。
キャラクター
イラストは岸田メルさん担当。みんなかわいいです。個人的には日菜ちゃんがいちばんのお気に入り。
ムービーの日菜ちゃん、かっこかわいい。自分の好きなキャラクター観にわりとストライクなので、プレーしていて楽しいです。
そしてなんといっても勝利ポーズがかわいい。かわいすぎです。
ちなみにメインのパーティーメンバーはずっと日菜ちゃん、ユズ、ライムの3人です。それ以外にはいません。
またメインキャラクター以外に「サポーター」という、戦闘中にステータスアップや回復をしてくれたり、攻撃してくれたりするサブキャラクターたちがいます。冒頭の画像に載っている3人以外の女の子たちです。
ただ、回復手段がお化粧道具だったり、攻撃手段が空き缶やバスケットボールだったりするため「リフレクターじゃないのに戦えるとかリアルじゃない」「空き缶やバスケットボールで戦うとか興が冷める」など、思うところがあるプレイヤーも多そうです。個人的には、強大な敵を前にして友だちが助けてくれるという胸熱な展開に満足だったので、特に気になりませんでしたが。
あとこれは狙ってやってるんだと思いますが、日菜ちゃんのおっぱいがよく揺れます。パンチラも多いです。水着もめっちゃ多い。あと文化祭直前は、選択肢によっては毎日のように下着姿が拝めます。
戦闘中は揺れるは見えるは大変です。
また雨の日だと、日菜ちゃんの下着がずっと透けます。彼女はなぜか傘をさしません。
ちょっと暗いですが、こんな感じですけすけです。
さらに、毎日のようにお風呂シーンがあります(選択肢で選べば)
お風呂のなかでは選択肢によって、考えごとしたり鼻歌を歌ったりします。鼻歌は作中のBGMを日菜ちゃんが歌います。
このあたりけっこう露骨なので、ご購入前にはご注意いただければと。
ゲームシステム
『BLUE REFLECTION』には、敵を倒してレベル上げという概念がありません。かわりに生徒たちの悩みや問題を解消して、フラグメントやレベルに相当する成長ポイントを集めて3人を強くしていきます。
ストーリーは、メインストーリーとフリータイムの2つの時間にわかれます。
フリータイムではサブキャラクターといっしょに過ごしたり、彼女たちの抱える悩みや問題を解消してあげたりしながら絆を深めていきます。要は『ペルソナ』ですね。それによって手に入れた成長ポイントとフラグメントを使って、日菜ちゃんたちは強くなっていきます。
成長ポイントの割り振り画面。アタック、ディフェンス、サポート、テクニックの4つに手に入れたポイントを好きに振り分けます。
これはミッション選択画面。このミッションを解決することで、成長ポイントやアイテム、フラグメントを入手できます。
ミッションはサブキャラクターたちと過ごして絆を深めるものと、悩みや問題を解決していくものがあります。後者はコモンに潜りますが、前者はただイベントを観賞するだけです。
フラグメントのセッティング画面。各キャラのスキルにフラグメントを装着することで、日菜ちゃんたちのステータスやスキルの性能を上げることができます。
敵を倒してレベル上げというスタイルにしなかったのは、おそらくゲームコンセプトに合わせて、心の成長や絆の強さをキャラクターの成長とリンクさせたかったからではないかと思います。筆者がそういうこだわり・裏設定が好きだから、そういうふうに見えているだけな気もしますが。
だいたいこんな感じです。
ここから雑感。
フリータイムのイベントは、カラオケに行ったり、買い物に行ったり、映画を見に行ったりと、基本的に日常生活を垣間見ている感じです。見ていてほっこりします。
言い換えれば、プレイヤーによっては退屈に感じるかもしれません。アニメの日常回みたいに、わりと淡々と進むので。しかも先に書いたとおり、敵を倒してレベルを上げられないゲームなので、キャラクターを強くするためにはこのフリータイムをある程度こなす必要があります。
個人的には起伏の激しい物語より、こうした日常的な話のほうが好きなので楽しめました。楽しすぎてフリータイムのたびにフィーリング(サブキャラクターとの友情のようなステータス)をMAXにしてしまい、そのせいか、かなり序盤からヌルゲーと化してしまいましたが……。
こちら、第三の原種・ティファレト戦の模様。HP15,000の相手に脳筋なライムが一撃で5,000〜6,000くらい叩き出すという有様に…‥。
ダンジョン
メインストーリーではコモンというダンジョンに潜り、アイテムを回収したり、魔物を倒したりしていきます。
ただ、このコモン、そこまで広くなく、バリエーションも多くありません。そのため何度も同じ(ような)コモンに潜ります。
またレベル上げというシステムがないので、敵を倒す必要もほぼありません。敵と戦う目的はフラグメントを強化するための素材集めくらいですが、フィールドに落ちている素材を拾っていけば、わりと最後まで強化できる気がします。
こちらフラグメント強化画面。強化はコモンに落ちているアイテムや魔物のドロップアイテムなどを使って行います。
そのため、後半にいけばいくほど、ただ淡々とダンジョンを歩き回るだけになりがちです。広くない上にシンプルなMAPなので、探索する楽しみは正直あまりありません。というわけで、ここはちょっと不満点。もっと謎解きがあったり、バリエーションを増やしたりして、変わり映えする感じにしてほしかったなと。
戦闘
なんといってもBGMが最高です。もともと浅野さんのBGM目的に、このゲームを買ったといっても過言ではありません(BGMは戦闘に限らず全体的に大好きです)
戦闘はタイムラインというゲージがあり、その中心に到達したキャラクターから行動できるというシステムで進みます。
画面の上にあるのがタイムライン。中心にある白い星に向かって、味方のアイコンが左から、敵のアイコンが右からそれぞれ動きます。
使うスキルによってウェイトタイムが異なり、強力なものほど使ったあと、タイムラインの端のほうにアイコンが追いやられます。次の行動までの待機時間が長くなるわけですね。
またスキルのなかには「ノックバック」という、相手をタイムラインの中心から遠ざける効果を持ったものや、タイムライン上にHP・MP回復効果などを持ったスポットを配置するものがあります。このあたりをうまく使うと、戦闘がとても面白いです。
ただ、ノックバックは便利すぎるかなとも。スキルの待ち時間を減らしたりキャラクターの敏捷性を上げたりするフラグメント、それにノックバックをうまく使うと、原種相手でもずっと俺のターンです。ノーダメで勝つこともわりと余裕です。
あと、どちらかがタイムラインの中心まで進まないと戦闘が止まるため、テンポが少し良くありません(けっこう進むのがゆっくりです)。敵も味方も中心からかなり離れていると、ずっと画面を眺めているだけなので、やや退屈です。また、戦闘BGMがアップテンポなので、戦闘のスピード感がBGMと合っていなかったのもちょっと残念でした。
難易度はかなりヌルゲーです。デバフや状態異常などはほぼ食らうことがなく、敵の攻撃も激しくないので、ピンチになることもまずありません。RPGがはじめての人でも簡単にクリアできます。いいかえれば、RPG慣れしている人は物足りなさを感じると思います。
敵のバリエーションが乏しいのも残念。見た目が同じで色違いの敵が大半でした。
……といった感じでいろいろ書いてきましたが、個人的にはいろいろ思うところはあっても楽しいです。なにより日菜ちゃんかわいい。
クリア後
ストーリー終盤はなかなかに予想外な展開。そしてラストはいい年して普通に泣きました。苦笑。王道ってやっぱりいいですね。OPとEDをリンクさせた演出も憎いです。
もうこのあたりは終始、泣いてました。
クリア時間は20時間ほど。可能な限りデータベースを埋めるために、アイテムドロップを粘ったりミッションをクリアしたりしていましたが、それでものべ1日弱。もう少しボリュームあってよかった気がしますが、個人的にはこれくらいのほうが2周目やろうという気が起きやすいので、可もなく不可もなく。
クリア後に全体を振り返って思うのは、ゲームとしては「歩き回れる恋愛アドベンチャー」という印象。ダンジョン探索のボリュームはほぼなく、レベル上げや資金・アイテム稼ぎのためにダンジョンへ潜る必要も、武器防具を購入することもありません。そのため、RPGよりもアドベンチャーゲームに近い気がしました。
いわば、メインストーリーのムービーパートを楽しみ、フィーリングを高めるためにひたすらサブキャラクターと会話して選択肢を選びつづけるゲーム。そのため純粋にRPGとしての面白さを期待する人には物足りないと思います。
ちなみに現在、2周目をプレー中。1周目の日菜ちゃんは敏捷を高めにしたサポートメインのセミアタッカーだったので、今度は脳筋にしてみようかなと思ってます。1周目ライムがディフェンス1のままで特に問題なかったので、日菜ちゃんのアタック40くらいまで引き上げてみようかなと。
ただ、それよりなにより、早く更衣室に行ってスクール水着に着替えたい。笑。