- お久しぶりです。3ヵ月連続で残業が月150時間を突破し、ブログどころではありませんでした、いやはや……。
- 創作が進まない!
- ようやくswitchに十三機兵防衛圏が来たので買ったのですが、手つかずのまま。ソフィーのアトリエ2も序盤でストップしている状況で、イース9も終わってないし、LIVE A LIVEのリメイクもきたし、積みゲーが増えて大変です。
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掲題のような質問をすると、だいたい「規模に関係なく自分に合う会社」という答えが返ってくるのが就職活動。確かにそうなわけですが、それでは質問の答えになっていないので、さてどう答えたものかが毎度なやましいところです。
少なくともキャリアという意味においては、企業の規模は重要ではないかなと。筆者も個人事業から大手に転職したので。
大事なのは、そのwebメディアがどう儲けているのかという仕組みと、そのために社内で行われている仕事内容な気がします。
大手企業に入社した人からよく聞く失敗ケースは「つぶしがきかない」でしょうか。
歴史が長いwebメディアの場合、儲かる仕組みがすでに完成しており、あとはその仕組みを回すだけというケースが少なくありません。もちろん、その仕組みが一生通用するわけないので定期的にチューニングするわけですが、ドメインパワーとか継続的に生きる資産はあるので、チューニングの方向性を間違えなければ、運営危機に陥るリスクはそこまで大きくはありません。
もっとも、これを言い換えると、先の「つぶしがきかない」になるわけですね。PVや収益を稼げているのは、運営者のおかげではなく、あくまで仕組みのおかげ、だと。
そのため、大きなwebメディアに携わる場合、自分の力で稼いだPVや収益と、仕組みで稼いだPVや収益を(ある程度)切り分けて考える必要があるわけですが、ここを勘違いして「自分は仕事ができる」と思い込んでしまい、転職などで失敗したというケースは意外と聞きます。
ただ、このあたり編集部の方針によって状況が変わるので、一概にそう断言もできません。権限の移譲がほとんど行われず、トップダウン型の運営が行われている場合、編集長など上のほうの人は力がつくけど、実働部隊に過ぎないメンバーは数年たってもなにも身についていない、なんて話も珍しくありません。挙げ句に先の勘違いをしてしまうと、市場価値が低い人材となってしまいます。一方で、ある程度は裁量を委ねられている仕事があるなら、こうした勘違いのリスクも減るのかなと(それでも勘違いする人はわりといますが)
言い換えれば、仕組みが強い会社に入社するなら、そのあたりどうなっているのかは知っておいたほうが良いのかなという気がします。
ただ、有名なwebメディアでも、このあたりうまく回っている会社は、そこまで多くない気がします。立ち上げ当初に人集めを急いで採用を妥協した結果、こうした勘違いを起こして自分磨きを怠るメンバーばかり集まってしまい……というストーリーが意外と多いのかなと。結果、権限の移譲が進まない、移譲しても本人がやらない、やっても成果が出ない、改善する気もない、だからトップダウンになる……。
どちらかといえば取材力や編集力で稼ぐwebメディア(新聞社や専門性の高い業界人御用達メディア、作り込まれた面白系メディアなど)は、そもそもこうしたリスクを取れないので(取ったら終わる)、その心配は少ない気はします。一方で、コタツ記事でも儲けられる"稼ぐ仕組み"が強いwebメディアは、採用でそこそこ妥協するケースも珍しくないので、こうした失敗を犯しやすいのかなと。コタツ記事で稼ぐ以上、大事なのはライターや編集の"質"ではなく"量"なので。
あと大きなwebメディアの場合、人手や資金力が豊富なためできることが多い一方、自主性・主体性がない人は学びが減るリスクもあると思います。
大手とベンチャー両方ともいくつか経験しましたが、個人的に大きく違うと思うのは、こんなところでしょうか。
- 資金力
- 人手
- PVボリューム
- ドメインパワー
- 企業のネームバリュー
いずれにおいても、大手のほうが圧倒的に有利です。お金はたんまり、人もいっぱい、PVもいっぱい、ドメインも強いし、企業も有名、いいことばっかり!
なんて都合の良い話には、もちろんなりません。
確かに大手のほうが総じて恵まれていると思いますが、今の時代でwebメディアを大きくする場合、上記があってもそこまで大きなメリットではないかなと。言い換えれば、上に並べた要素を軸に会社を選んでも、あまり益はない気がします。正確には、その差によって生まれる大手・ベンチャーの仕事上の違いは、web編集者・webライターのキャリアにおいて、さして重要ではないので。個人的には上記がないベンチャーでの経験のほうが、むしろ得だと思います(というか、そもそも企業の付帯属性"だけ"で会社を選ぶなという話ですね)
もう少し具体的に書きますと、上記の違いによって生まれる大手とベンチャーの仕事の違いに、特に優劣(損得)はありません。そもそも仕事の質、学べる内容が違うので、どちらも必ず糧になります。
PVボリュームを例としますと、大きなwebメディアは日々大量のPVが集まるので、小さなwebメディアでは難しい以下のような知見・感性を磨きやすいです。
- テーマの持つパワー(要は企画力)
- ユーザー属性とPVのつながり
- スケールが小さいABテスト(タイトルや見出し、画像キャプションの一部変更など)
逆にSEOなどの施策を外注するケースも珍しくないため、そのあたりにふれられないリスクはあります。
ちなみに筆者の会社の場合、編集部は企画・編集・校正・校閲の機能に特化していて、制作・執筆やSEO、基本的な校正・校閲などは、すべて外部委託です。編集部にはSEOの基礎を知らない人も珍しくありません。あと、アナリティクスを日常的に覗くのも、上の人たちだけですね。下のメンバーは、上からお知らせされる日々のPVなどを聞くだけです。
一方、小さいwebメディアはPVボリュームが小さいので、大きなwebメディアで得られた上のようなメリットと無縁なケースも少なくありません。ただ、SEOの重要性が必然的に大きくなるので、そのあたりには強くなれます。また、そもそも人がいないので、ライターの採用やったり、サイト制作(コーディングなど)かじったり、アナリティクスやサチコを覗きまくったり、広く浅くふれられるのも良いですね。
総じて見ると、キャリアのスタートは小さいwebメディアのほうが良いのかなぁという気がします。メディアを大きくする技術=再現性ある手法が身につくので、だいたいどこにいっても活躍できるようになります。大きなメディアでもそうした技術を磨けますが、それ以上に感性や知見といった感覚的な部分のほうが魅力的なので、前者のために時間を割くのはもったいない気がします。
よって個人的には、最初は小さなwebメディアで、メディアを"大きくする技術"や付随するさまざまな業務(サイト制作、採用などなど)を経験して、その後に大きなwebメディアに移って、メディアを"伸ばす技術・感性"を磨くほうが良いのかなと思ってます。成長の加速度的にも、たぶんそのほうが良いので。
ちなみに、小さいwebメディアを"大きくする"のは技術の領域ですが、大きくなったwebメディアを"伸ばす"のは技術に加えて感性・感覚が必要になってくるので、業務において後者が大きな比重を占める大手webメディアのほうが、日々の業務のスピード感は早いと思います。文字通り毎日PDCAを高速で回し続けるので、めっちゃ疲れます。
このあたりマーケティングとかちゃんと勉強してる会社なら、ある程度は理論的な分析を通じて確実性の高い仕事ができる=働き方がもうちょっと変わってくるんでしょうけど、弊社はそうもいかないので、しぶとく地道に頑張るしかないのが悲しいところ。
なおこれは余談ですが、webメディアを"伸ばす"や"改善する"ためのPDCAがメインとなる大きなwebメディアで、そのための仕組みがハード化されていない場合、当座のPVや収益を確保するために力技に頼る必要があるわけですが(記事本数を増やすとか)、その工数が特定の人(だいたいは社内で仕事ができる人)に集中しやすいので、優秀な人が不満を募らせてどんどん辞めていく、という悲しいサイクルに陥るといった話もわりと聞きます。考えてみますと、いまの弊社も各部署その状況に近いですね、いはやは。
久しぶりだからか、なんかダラダラ書いてしまいましたが、とりあえずそんなところです。
眠いので、寝ます。