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- 作者: 白鳥士郎,切符
- 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
- 発売日: 2011/11/12
- メディア: 文庫
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ご存知のとおり『のうりん』は農業をテーマとしたラノベです。作者は白鳥士郎先生。べつの記事でも書きましたが、筆者がいちばん好きなラノベ作家さんです。
で。実は今、ある農業系のメディアに編集長として携わっているのですが、この仕事を頂けるきっかけとなったのが、この『のうりん』でした。
*
事の発端は、2018年の春先。ニート後に再就職した会社を1年で辞め、フリーライターとしてリスタートした矢先のこと。
ニート時代にお仕事でご一緒したフリーランスディレクターの方とお会いした時、ひょんなことからTPPの話題になりました(ニートが仕事とか語義矛盾も甚だしいですが)
『のうりん』の中では、金上嬢がいろいろ説明してくれていましたね、TPP。日本はなぜ大量の食料を海外から輸入する必要があるのか、など。
当時、筆者は『のうりん』の影響で自分なりに農業についていろいろ調べていたので、TPPや、いま業界内で話題となっているEPA*1について多少なり知っていました。おかげでなんとか話についていくことができました。ありがとう金上女史。
ちなみに今日、TPPに関して強烈なニュースが流れていましたね。
2017年度の食料需給表(概算)によれば、牛肉の国内生産量は41.7万トン、輸入量は81.7万トン、よって自給率は33.8パーセント。7日には口蹄疫の関係で止まっていたウルグアイからの牛肉輸入を再開すると発表されましたし、今後どうなるのか。
*
本題に戻りますと。
後日、このフリーディレクターの方から一通のメールを頂きました。
「農業系メディアの編集長を探してる知人がいて、会ってやってほしい」
どうやら過日のTPP談義が記憶に残っていたらしく、知人の方に相談されたとき「ちょうど暇になった農業に詳しい知り合いがいる」と話してしまったそうです(詳しくも何ともないのですが)
で。数日後。その知人を名乗る方とカフェでお会いして、いろいろ話をしました。
が。そこで「自分、農業にめっちゃ詳しいです」アピールしたかといえば、もちろんそんなことはなく。
相手「農業に詳しいと伺いまして」
筆者「いえ。そんなことないです」
相手「またまた」(まだ余裕)
筆者「農業がテーマの『のうりん』というライトノベルが好きなだけでして」
相手「・・・」(なに言ってるかわからない顔)
こんな感じでした。
確かに『のうりん』の影響で、大量の関連書籍や雑誌を買い漁り、農業について自分なりにいろいろ調べたことはあります。
たとえば、こちらの段ボール2箱。
中身はすべて、日本食肉研究会という団体が発行している『食肉の科学』という雑誌です*2。
このとき購入できるだけのバックナンバーをすべて買いました。数えてないですが、たぶん40冊ほど。そこまで買うつもりなかったのですが、古いものは1冊50円と割安だったので、ついやってしまいました。
ほかにも、農業関係のエッセイや学術書なんかも大量に買い漁りました。
あと見学なども。
(ウマ)
とはいえ、自分は農家の出ではないし、家系に農業関係者がいるわけでもないし、農学部や農業大学の出身でもありません。ただの下手の横好きです。
だから、そうした事情からサイトの編集長はさすがに厳しいです、とお伝えしました。
が。
なぜかそれが刺さってしまいました。
後日「改めて、ぜひお願いしたく」とのメールが届きました。
*
どんな人なら一緒に仕事をしたいか、その基準は人それぞれだと思います。
ニート時代、あるクリエイター系クラウドソーシングを手がける某社の代表から仕事の話を頂いたときのこと。もっと良いライターをたくさん知っているだろうに、なんでニートなんかに頼んだんですかと尋ねると、
「同じライターでも、仕事をするなら面白いライターと一緒にしたい」
とおっしゃっていました。
筆者が面白いかどうかは別として、その方にとっては、28でラノベ作家をめざすためにニートになった輩はどうやら面白く映ったようです。
この知人の方も同様でした。最も刺さったのは、上の段ボール箱の一件。
いくら農業に興味が湧いたといっても、いきなり業界誌を40冊もまとめ買いする阿呆はいないのでしょう。そこがどうやら面白かったようです。
で。
最終的には、こちらも引き受けました。ニート時代に失敗したwebメディアのリベンジをいつかしたいとも思っていたので、良いチャンスかなと。
*
個人的には、まさか『のうりん』に(農業に?)ハマったことが仕事につながるとは思いもしませんでした。
が。
振り返ってみますと、アニメやゲーム、ラノベにハマった経験、またラノベ作家めざしてニートやっていた経験が仕事のチャンスにつながった(つながりかけた)ことは、意外と多かったです。
たとえば、
- ニート時代にwebメディアを一緒にやっていた会社が、実はアニメ系メディア、ゲーム系メディアも持っており、そこの編集者から記事を書かないかと言われた(無理そうだったのでお断り)
- たまたま知り合った経営者が大のアニメ好きで、その人からアニメDJイベントの運営協力を持ちかけられた
- 『のうりん』がきっかけで、農業系webメディアの編集長を打診いただいた
- 先のフリーディレクターの方から「某局で声優をテーマにしたTV番組をつくりたい。企画に協力してほしい」といわれた(途中でポシャる)
- 某アミューズメント系企業から、e-Sportsに関する新規事業を立ち上げたいから調査に協力してほしいといわれた(同上)
- アニメ大好きな某飲食店の店長から「おしゃれオタク向けのカフェを作りたいから協力してほしい」といわれ、フィギュアの原型師探しとかやった
- なぜか大学で授業することになった
ぱっと思い出せる範囲でも、これくらいありました。
もっとも、大半がポシャっており、ほかも大したお金にはなっていません。筆者自身も「面白そうだから」で付き合っています。遊びのイメージですね。
ただ改めて思うのは、
「何か一つ自分が熱くなれる(なった)ものを持ってる人は、それをきっかけに意外と仕事のチャンスが生まれるんじゃなかろうか」
ということ。
ニートになる前はそんなこと思ってもいなかったですし、そんな実感もなかったですけど、それは単に自分が何も持ってなかったからなのかな、と。類は友を呼ぶではないですが、世の中そんなもんなのかなと最近は思います。
なんかまとまりがないですが、とりあえずそんなところです。
眠いので寝ます。
*1:EUとの経済連携協定。今月1日に発効されました。
*2:ご興味のある方は、こちらのサイトをご覧ください→http://jmeatsci.org/publication