- 案の定、ちょっと太りました。
- パソコンの熱で太ももを軽く火傷しました (笑)
- 「零號琴」を読み終わったので、続けて「三体」を読み始めました。
- 次作の勉強を兼ねて「魔法 − その歴史と正体」も併読し始めました。
- もう4ヵ月ほど髪を切ってないので、いい加減なんとかしたいけど、なんともできない。耳にかかるのが鬱陶しすぎる。小学生のとき以来の坊主にしようか真剣に悩み中。
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前に書いた以下の記事の第2弾です。
今回も某社の採用担当さんに「1つだけ必須要件を挙げるとしたら、なんですか?」と聞いてみました。仮にAさんとしましょう。
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Aさんは1分くらい「うーん」と考え込んでから、こう答えました。
「・・・引き出しが多い人ですかね」
なるほど確かにストーリーや演出の引き出しは多いほうが良いですよね。同じ演出を使い回していては、いかに王道・テンプレといえど、飽きが来てしまいます。見せ方を変えるという手もありますが、なかなか難しいです。
・・・と思ったのですが、
「ああいえ。そういうことではなく。その意味でも確かに大事なんですけど」
どうやら違う様子。盛大に赤っ恥をかきました (笑)
で。具体的にどういう意味か聞いてみると、次のような答えが返ってきました。
- 引き出しとは、有名な作品の印象的なシーンというイメージ。
- たとえば、どんなゲームにしようか考えているとき「●●みたいなゲームにしたいね」「●●みたいなヒロインがいいなぁ」など、具体的な作品名やキャラクター名で会話することが、けっこうある。
- このとき、その作品名やキャラクターを知らないと、いちから説明しなければならない。このコストは意外と馬鹿にならない上、そもそも正確に伝わらないので共通認識が作れない。
- だから、チーム内でのコミュニケーションコストを下げる意味で、この引き出しが多い人のほうが良い。
- 確かに「ストーリーや演出を単調なものにしない」という創作的な意味でも引き出しは多いほうが良いが、それ以上にチーム内で意思を統一するためという意味合いが強い。
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このときの会話を少々、実録。
「たとえば、私はワイルドアームズが大好きなんですけど、セカンドイグニッション (以下、WA2) のラストが今でもRPG史上で最高のラストバトルだと思ってるんです」
「あー。あのシーン最高ですよね。まさに王道って感じで」
「そうなんですよ。BGMも演出もセリフも、いまプレイしても涙が止まりません。涙もろくなっただけとも言いますけど (笑)」
「一人の英雄としてじゃなくて、世界のみんなと一緒にアガートラームを抜くっていうのが」
「テーマソング回収」
「麻生さんいいですよねー」
「あそこで英雄を否定するのって、かなり衝撃でしたよね」
「生贄としての英雄はいらないという。当時は、そうした英雄像をベースとしたRPGも少なかった気がします」
「Hなお姉さんが、ようやく救われたというか」
「Hなお姉さん (笑)。あのアナスタシアのセリフ、ホント涙が止まりませんでした」
「彼女は、みんなで振るうはずの剣を、一人で振るってきた」
「でも世界は、それではいけないと、ようやく気づいた」
「正直、ラスト直前までマリナのことあんま好きじゃなかったんですけど、ラストでベタ惚れしました (笑)」
「(笑)」
べつに載せる必要なかったんですけど、そのときのWA2トークが楽しすぎたんで、思い出を残す意味で書いておきました (笑)
要は、同じ引き出しを持っていれば、細かい説明を必要としないで、こうしたコミュニケーションが成立するわけですね。
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ただAさんは、こうも言ってました。
「このコミュニケーションが大事なのは、その内容を正しく伝えるというよりも、むしろその熱量を伝えることにあります」
たとえば、WA2のラストバトルを、
- みんなで力を合わせてラスボスを倒すストーリーにする
- テーマソングをエンディングで回収する
といった感じで構成要素に分解した上で、誰かに「これでシナリオ書いて」と頼んだとしましょう。
このとき、その人がWA2を知っていれば、おそらくこれを見ただけでもコアとなるポイントを掴み、同じような熱量のストーリーを書けるでしょう。ですが、知らなければ、そうはいかない可能性が高いです (実際なかなかうまくいかないそうです)
じゃあ、このストーリーの熱量を言語化して伝えよう・・・とは、なかなかいきません。目に見えないですし、いろんな要素が複合されているので、そもそも一概にも言えません。
だからこそ「あのゲームみたいなラストバトル」といった例えを使って、コミュニケーションを円滑かつ精度の高いものにするわけですね。
「もちろん言語化しようと思えばできるんでしょうけど、そこにかかる時間的なコストや精神的な負担は、相当なものになると思ってます。要は無駄が多い」
「確かに。なによりプレイした人じゃないと、実際どんなものか、やっぱりわからないですよね」
「そうなんです。だからこそ、いろんなゲームをプレイしたり、アニメやドラマを見たり、小説や漫画を読んだりしておいてほしいのはありますね」
ゲームでもなんでもそうですが、やはり実際にプレイしないと、こうした熱量はなかなか掴めません。いまはプレイ動画もありますが、Aさん曰く「プレイした人と、ただ見ただけの人では、どうしても話の温度感が違う」らしいです。
ただ、そうはいっても、引き出しを増やすのは難しいもの。まして同じ引き出しを持つのは。
Aさんもその点は当然わかっており、だから「せめて流行りものくらいは押さえておいてほしいですね」とおっしゃっていました。それが限界のようですね。
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というわけで、
- 引き出しは少しでも多い
- それによって、演出やストーリーの単調化を防げる
- それ以上に、チーム間のコミュニケーションが円滑化する
- それら以上に、これから作るストーリーに求められる目に見えない要素 (熱量・温度感) を共有できるのが大きい
- ただ、現実的にはなかなかそうもいかないので、せめて流行りものくらいは押さえておいてほしい
というお話でしたとさ。
とりあえず、そんなところです。
眠いので、寝ます。