- ただただ多忙を極めてました。
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というわけで、お久しぶりです。前回の記事は10月9日とのことで、約3ヵ月ぶりでございます。皆様いかがお過ごしでしょうか?
こちらは12年ぶりに過労で倒れて救急を呼ぶ事態になりまして、再び転職活動を開始しました、あはは。いや笑い事じゃないんですけど、まさか2年も経たずに次の仕事を探す羽目に陥るとか思ってなかったので、笑うしかない感じです。さすがに1年以上も毎月残業150時間超の生活を送るとは思ってなかったですねぇ……。この半年は毎月250時間オーバーとか、面接官「うちはホワイト」って堂々と言ってたんですけど、あれはいったいなんだったのか。
ただ、そんな働き方をしたおかげで(?)、世間的に名の知れたwebメディアでなかなかな数字を叩き出せたので、転職活動がかなりやりやすくなりました。社会人歴13年、うち4年ニート、現在6社目と典型的な社会的産業廃棄物のため、これまではエージェントに登録しても「お前に紹介できる案件はねぇ!」と門前払いでしたが、今回はめちゃくちゃ親身になって色々な案件を出してくれます(笑)
そんなこんなで、とりあえず来年3末までに次を決められたらいいなーと思いつつ、数ヵ月ぶりにログインした「ウマ娘」がキタちゃん・ダイヤちゃんの新春イベント実装という最高な感じだったので、年末年始は新作を書きつつ、ひたすら「ウマ娘」な生活を送ろうと思います。
さて前置きが長くなりましたが、そんな歳末、久しぶりに昔の知人とmeetで話したときに聞かれた話がタイトルです。
やり方はサイトにも人にもよるので、本人や会社がやりやすければそれでいい(それがいい)わけですが、思えばこのあたりについてまとめた本やwebサイトを見た覚えがないので、取っかかりすらなくて「そもそもどうやればいいの?」とチンプンカンプンな人も意外と多いのかも?
というわけで、話した内容の備忘録をダラダラ書き残しておこうと思います。ブログを書くのが久しぶりすぎるのと、疲労で脳が死んでいるので、意味不明な箇所が多々あるかと思いますが、個人的な備忘録なので、ということで。
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PVの予実を管理する前に、そもそもそのために必要な情報がないといけません。具体的には、
- 記事のカテゴリごとのPVは分かっているか
- 流入元ごとのPVは分かっているか
- デイリーの時間帯ごとのPV傾向は分かっているか
- 自社メディアのPV推移の傾向は分かっているか
- 自社メディアのPV推移は、世情の変化の影響をどう受けるか知っているか
たとえば、こんなところ。1〜3あたりは、GAならデフォで拾えた気がしますが、どうでしたっけ……。今の会社はケチケチでGAを導入してくれないので、もうどんな仕様だったか覚えてないんですよね。そこケチって業界標準外のツール(故あって無料)を導入するとか、ホント勘弁してほしい……。
それは置いといて、とりあえずこうした必要情報を拾うのがスタートですね。
では、以下でそれぞれを少し具体的に。1と2はそのままなので割愛します。
まずは3「デイリーの時間帯ごとのPV傾向は分かっているか」。これは大きく次の2点です。
- 何時ごろからユーザーが集まりだして、何時ごろに離れだすのか
- 集まりだすそれぞれの時間帯で、どんなジャンルのネタが読まれるのか
たとえばうちのメディアの場合、
- 朝〜昼:集まりだすのは7時。離れだすのは12時30分。読まれるジャンルは、朝なら社会、経済、芸能、国際、動物、教育など。昼はそれに加えてグルメなど。
- 夕〜夜:集まりだすのは18時。離れだすのは22時00分。読まれるジャンルは、夕方なら朝方と同じイメージ。夜は芸能、教育、グルメ、ドラマ、アニメ、ゲームなど。
簡単ですけどこんなイメージ。実際はもっと細かく管理しています。たとえば「芸能」でも、お笑いなのか俳優さんなのかアイドルなのか歌手なのか、あるいはニュースなのかリリースなのか、とか。
ちなみに、今は読まれるジャンルの話をしていますが、もちろん読まれないジャンルも管理しないといけません。やり方は人それぞれですが、僕の場合は、メディア全体の記事平均PVを一定下回るジャンルを赤字として管理しています。
なお、赤字ジャンルでも、制作工数を圧倒的に圧縮できるなら(たとえば平均PVの記事1本の制作工数で2本書けるなど)、掲載する選択もアリです。忘れていなければ後ほど書くかもしれませんが、記事の本数とPVには一定の相関があるため、記事を出さないよりは出したほうがいいので。
続いて4「自社メディアのPV推移の傾向は分かっているか」。これはメディアによって色々な傾向があるため、一概には言えません。言い換えれば、ここが管理者の腕の見せどころとも言えます。
うちのメディアの場合、PVの推移には以下のような傾向があります。
- 休日になるとPVが伸びる
- 逆に大きなイベントごとがあるとPVが減る(W杯など)
- 30分ごとに記事を出すと、PVを維持はできる
- 検索向きのネタは、ニュースフィードで初速がつけば、半日ほどで上位にくる(言い換えれば、半日経つまではPVが伸びない)
- ニュースフィードから来た人は回遊する、検索から来た人はしない
- PV全体のうち、その日に公開する記事が約70%、過去に公開した記事が約30%を占める
- メディア全体のPVは山型のループを描く(初旬から中旬は右肩上がり、中旬から下旬は右肩下がり)
ほかにもいろいろありますが、とりあえずこんなところで。こうした傾向を踏まえて、日々どんな記事を出すのか考えていきます。
たとえば、うちのメディアで検索向きの記事に流入を早く呼びこむ場合、ニュースフィードの記事がしっかり読まれないといけないことが分かります。この人たちが回遊してくれるおかげで、検索順位が上がってくるので。
こうした傾向は、分析ツールを眺める以上に、リアルタイムでPVがどう動いているかを見るのが大事です。そのためPV管理者は、1日中アナリティクスにはりつくのが基本ですね。このあたりの事情が理解されず、「1日中そんなツール見る必要ないだろ。他の仕事もしなさい」「月初月末にまとめて分析すればいいじゃないか」などと上司が思っていたりすると、メディアもなかなか良い方向にいかない気がします。
5「自社メディアのPV推移は、世情の変化の影響をどう受けるか知っているか」。
4のところで「逆に大きなイベントごとがあるとPVが減る(W杯など)」と書きましたが、要はこういうPVに影響する世情の変化を把握できているかです。大きなイベントごとがあった時にどう動くのか、景気の変動によってどう変わるのか、などなど。
あと地味ですけど大事なのが、季節の変化ですね。特に冬。12月になると気が緩んで体調を崩す人が例月より増える可能性が高いため、稼働が足りなくてPVが伸びない、なんてことも起こりやすいです。実際、うちは今月バタバタと人が倒れ(のべ12人日くらい吹き飛びました)、本当にギリギリでした。
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さて。必要な情報がそろったら、それを踏まえてどんな記事を出すのか考えていくわけですが、ここはメディアによって、できること/できないことが大きく分かれてくるので、あんまり多くは書きません。それこそニュースメディアなどの場合、その日にならないと、どんな記事を出すのか分からんですしね。個人的には、新聞系のメディアがどうやってPVを管理しているのか、すごく知りたい。
ここの話はさすがに書けないことが多いので、簡単に。
まず、記事カテゴリごとのPVが分かっているので、そのカテゴリごとのPVの平均値や中央値を出します。振れ幅が大きいカテゴリは中央値、そうでもないなら平均値。集計期間は個人的に前月だけでいいと思っています。累計は面倒k(自重)
この数字がそろえば、その日に出す全記事がだいたいどのくらいのPVを稼ぐのかが予想できます。ここに前日までに出した記事の稼ぐPVが乗ってくるわけですが、それはデイリーPVに占めるそれらの記事の割合を調べればいいだけです。これでデイリーのPVが予想できます。
あとは、この数字が日次の目標PV(月間の目標PV÷28〜31)に届くように、その日にどんな記事を出すのか考えるだけですね。もちろんマンパワーの都合があるため、所要工数も併せて考えなければいけません。
このとき個人的に意識しているのは、デイリーのPVを安定させること、これだけです。バズはいりません。バズは結果的に起こるものであって、狙うものではないので。
PVを管理する上でなによりも大事なのは「数字が安定して読める」ことです。実PVが予測したPVに近似するのが第一。
ただ、このやり方には「PVがビハインドすると取り返すのが難しくなる」という欠点もあります。PVが安定しているということは、言い換えれば、「ビハインドを取り返すには本数を出すしかない」ということでもあります。ですが、マンパワーには限りがあるため、なかなかそうもいきません。このあたりをどうコントロールするかも、なかなか難しいところですね。
もう1点、PV管理で難しいのが、先に書いたイベント要因によるPV増減や月末月初の凹みといった変動要因をどう加味するかです。もっとも、イベントのような一時的な要因は読みようがないのと、影響期間が短気なため、ぶっちゃけ場当たり的な対処でいいと思っています。
問題は後者、より正確に書けば「毎月必ず起こる変動要因」です。こちらは毎月の目標に必ずダイレクトに影響してくるので、対処しないわけにはいきません。
もっとも、ここのやり方は個人的にも模索中といいますか、そのつど次善策を考えて手を打っている感じなので、僕も決まった方法論を持ってはいません。詳細は割愛しますが、いまやっていることとしては、前月や過去のデータをベースに独自の算出根拠で係数を用意して、それをデイリー予測PVにかけて変動分を調整しています。
とはいえ、ここは本当に難しいため、なかなかうまくいきません。今年10月は、同月の月間PV予測と実PVの差分がわずか30万と個人的に驚きの結果だったのですが(月間PVは億を超えています)、同じ係数を(多少チューニングして)11月に使ったら、今度は差分500万でした。12月はW杯があったり欠勤者が続出したりした影響もありますが、さらにひどくて差分1200万。というわけで、再び抜本的な見直しを迫られています。いやはや。
もっとも、予測が下にブレる分には、ある程度は許容していいと思います。上振れはダメですが。
なお、係数の算出根拠は、基本的には株価のボラティリティ(インプライドボラティリティなど)の考え方を応用しています。理由は特になく、単純に「いま未来を高い確率で呼んでいるメカニズムって、なんだろうか?」と考えた時、天気予報と株価が思い浮かんだだけです。ただ、天気予報の予測の仕組みはよくわからなかったので(笑)、株価のほうを頼りました。
もちろん、ボラティリティの計算式をそのままPVには応用できないので、ああでもないこうでもないしながら、独自の計算式で係数を用意しています。……とか言うとカッコいいですけど、実際は過去のデータをベースに、無理やり帳尻を合わせているだけです。だから定期的に役立たずになります(笑)
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さて、ここまでPVの話ばかりしていますが、いくらPVを稼いでも売上にならなければ無意味です。というわけで、売上もちゃんと管理しなければいけません。
もっとも、うちの会社は広告管理チームが別にあるため、僕らがやっているのは、同チームが報告してきたCPMをベースに、記事中の広告を増やしたり減らしたり、CPMが高いジャンルの記事を増やしたりするくらいです。amazonのセールがあるとCPMが上がるので、そこで記事の本数をなるべく出して、CPMが高いうちにPVを稼いでおく(=売上を稼いでおく)とか。
管理内容としては、特に変わったことはしていません。デイリーの売上目標に対する進捗率を把握しているだけです。予測CPMを最高、通常、最悪の3パターン用意して、それぞれで必要な目安PVとその進捗率を追跡。それくらいです。
会員制ニュースサイトなどは、また別の指標で管理すると思いますが、そのあたりは詳しくないので割愛します。回遊率や新規獲得会員数、退会率あたりですかね? 新聞社系のメディアがこのあたりどうやっているのかは、ちょっと気になります。
余談ですが、たまにPVで最高、通常、最悪の3パターンのシナリオを用意している人を見かけますが、工数かかるだけで意味ないので、やめたほうがいい気がします。シナリオ分けは、必達の数字を管理するための方法論なので、やるならPVや会員数ではなく売上ですね。PV少なくても売上でてれば、売上の上では最悪okですから(事業上、経営上はそうはいかないですが)
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さて、久しぶりで勝手を忘れているので、なんかもうダラダラ書いてきましたが、疲れたのでここまでとします。走り書きしたため妙なところがあると思うので、後で書き直すかもしれません。
とりあえず、そんなところです。
眠いので、寝ます。