- なぜか2月はとんでもなく忙しくなっています。イヒ。
- ソフィーのアトリエ2およびサントラ、シンフォギアのキャラソンコンプリートボックス、ライブアライブのリメイクなど、最近は立て続けにいろいろ予約しまくっており、クレカの引き落としがとてもとても心配です。
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知人から興味深い話を聞いたので、軽く暇つぶし程度に。
タイトルのままなのですが、優先順位をつけられない社員さんのお話です。仮にAさんとしましょう。現在、社会人8年目(4月から9年目)。2社を経て、いまの知人の会社へ転職してきたそうです。
さてこのAさん、いま知人の会社で4年目らしいのですが、毎年異動しているそうです。どこの部署でも1年で「うちでは面倒見きれないよ……」と言われてしまい、社内を転々としているとのこと。
理由はいろいろあるそうなのですが、最も大きいのは「優先順位をつけられない」。転職1年目以来、何人もの同僚から数え切れないほど指摘されているそうなのですが、いっこうに直らないのだそうです。
具体的にどのくらいつけられないかというと、たとえば以下の2つの仕事があるとします。
- 12時までにやらないといけないS案件
- 14時までにやらないといけないT案件
このとき、T案件から対応するといった具合です。そんなイメージという話ではなく、事実として。10時に出社して、朝会とかなんやかんやあって、10時半くらいから「さぁ仕事スタート!」といった矢先に、T案件から手をつける。これが毎日のように起こるそうです。
で。そのたびに上司は、当然のように言うわけです。「タイムリミットが先なのはS案件なんだから、そっちからやらないと」と。
でも、Aさんはその場では納得したようなリアクションを見せても、次の日になると同じように優先順位の低い案件から対応してしまう……まるで一晩ぐっすり寝たら、上司の指摘がリセットされてしまったかのように。
そんなことが繰り返されるうち、次第に周りも疲れてしまい、最近はもう「この子には適性がない」と諦められてしまったそうです。同じようなことが起こっても、特に誰も指摘せず、傍からこっそり目を配って、トラブルが起こらないかチェックしているとのこと(実際けっこうな頻度でヒヤリハットを起こしており、周りがその時点でなんとか摘み取っているようです)
そして上司は人事に「あの子はウチでは厳しい」と報告し、人事も「またか……」と肩を落として、Aさんの次なる行く先を必死に探すそうです。
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前述のとおり、Aさんは「もう適性がない」と諦められてしまい、今となっては指摘もされなくなりました。それが幸せなのか不幸なのかは微妙ですが。
さて。
個人的に気になるのは、Aさんの「優先順位がつけられない」のを、知人の会社は「改善しようとしたこと」。こうしようねと「指摘」したことです。
個人的に「指摘」で直るのは、「本人がそもそもできるのに、なんらかの事情でできなかったこと」だと思っています。ですので、たまたま起こったミスなどは、「指摘」すれば、その後は問題なく防げるでしょう(もちろん、ミスが起こらないしくみをつくったほうが良いですが)
一方で、今回のAさんのように「そもそもできないこと」は、どれほど「指摘」してもできるようにはならない気がします。
では、Aさんはいったいなにができないのでしょうか? そもそも本当に「優先順位がつけられない」のでしょうか?
実際のところ、Aさんも「14時〆切の作業より、12時〆切の作業のほうがタイムリミットが先なのだから、先にやらなければならない」ということは、わかっていると思うのですよね。まさかいい大人が、こんなこどもでも分かる説明が理解できないはずはないかと。
ただ、いざ仕事を始める段になると、たとえば「T案件のほうが楽そうだから、こっちからやろう」のような、個人的な優先順位の判断「だけ」(ここ重要)が無意識に働いて、本来先に対応すべきS案件が放置されているのではないかなと。言い換えれば、Aさんの問題は「優先順位がつけられないこと」ではなくて、「優先順位の優先順位がわかっていないこと」なのではないかなと。優先すべきは、個人的な優先順位じゃなくて(どっちからやりたい、どっちのほうがやりやすいなど)、仕事上の優先順位(仕事の状況から先にやるべきほうを判断する)だと理解していない。
もっといえば、正確には理解していないというより、いざ仕事を始めると、それが頭から吹っ飛んでしまうのではないかと思っています。話を聞いてみると、テンパると目の前しか見えなくなるタイプらしいので(メンバーからの重要なメンションにもいっさい反応しなくなったり、会議の予定も忘れてしまったりするそうです)。あと、余裕がある時間帯に面倒なことを片づけるタイプなのかなという気もします。朝一というそこそこ余裕があって集中できる時間帯に、面倒なT案件のほうから片づけておこうと思ったのかなと。
だから周りの人たちの指摘をいくら聞いても、Aさんは変わらなかったのかなと。
ちょっと話がずれますが、この話を聞いて個人的に興味深かったのは、知人の社内の人たちが「Aさんには"優先順位をつける"という作業には、適性が存在する」と考えている点でした。
個人的には、同作業には適性は存在しないと思っています。理由は「相手が頭で理解できる説明が可能だから」。感覚的な話ではないから、と言い換えたほうがわかりやすいかもしれません。
先のS案件、T案件でいえば、
- 12時までにやらないといけないS案件
- 14時までにやらないといけないT案件
ご覧のように、どちらもタイムリミットが決まっています。そして、S案件のほうがタイムリミットが早いです。だから、S案件のほうが優先順位が高いと、論理的に説明できます。論理的に説明できるということは、相手は頭で理解できるわけです。
こうした原因や理由を伴う説明ができる作業(理性的な説明ができる作業)が理解されない場合、それは相手の適性の問題ではなく、大抵の場合、こちらが課題を捉え違えている気がします。ましてや今回のAさんのように、誰でも理解できるであろう簡単な説明が通用しない場合は特に。あくまで個人的な経験則ですが。
ちなみに具体的な対処法としては、よほど複雑な作業でなければ(原因や理由を理解するのに高度な知識や経験が必要でなければ)、本人が意識さえすれば、問題なく身につくと思っています。そのため、意識しなければならないしくみを用意すればよいのかなと。乱暴な例ですが、朝会でその日の仕事のスケジュールを発表するとか。で、身についたら、しくみを解体する。
とりあえず、そんなところです。
眠いので、寝ます。