どうも、お久しぶりです。年度末の繁忙期とか、例のウイルスに伴う諸々でバタバタしてまして、すっかり放置してました。
ほかの記事にご心配のコメントを頂いたので一応お伝えしておきますと、筆者は幸いピンピンしてます。運動不足が怖くて、毎日腕立て100回・腹筋200回やるくらいには元気です。ご配慮、本当にありがとうございます。
そんな中、状況が少し落ち着いたので、またちょこちょこ書いていこうと思います。
農業系オウンドメディアが1周年を迎えました
以前に農業系オウンドメディアの編集長になってしまった話をしましたが、こちらが1周年を迎えました。
ライターがぜんぜん見つからない、諸事情により長らく更新できない期間があったなど苦労は数え切れませんが、とりあえず首が飛ばずに安堵しています。
20/04/15時点のサーチコンソールの状況は、こんな感じです。
青はPV、紫は表示回数、橙は順位です。ちなみに、アナリティクスはwifiが弱すぎて開けませんでした。合掌。
改めて眺めると、いろいろ思い出しますね。
19/03に諸々急落したときは、びっくりしました。おそらくYLYMの影響なのですが、その点は大丈夫という自信があったので何もせず放置してたのですが、正直なところ気が気ではありませんでした (苦笑)
19/05〜19/10はクライアント事情により全く更新できなかったのですが、そのわりには微増傾向でした。メディアの方向性や記事のクオリティに間違いはなかったかなと、少し安堵しました。
19/12に急上昇してるのは、いくつかの記事が強調スニペットで表示されるようになったからですね。
20/01以降は、コロナやら何やらの影響で1本も更新できなかったのですが、既存記事が頑張ってくれてるおかげで右肩上がりです。
そして現在。コロナの影響などで動けずじまいですが、記事のストックが50本くらいあるので、早く世に出したくてウズウズしてます。
記事を作る上で考えたこと・やったこと
ざっと列挙すると、
- メディアおよび記事のコンセプトを固める
- 勉強する
- テーマリストを作る
- メディアに関係するボリューム10〜1,500あたりのキーワードを探す
- テーマとキーワードの親和性を調べる
- 詳しく・わかりやすく・納得できて・役に立つようにする
- 知的好奇心を刺激できているか見極める
- ネガポジ偏ることなく「正しい情報」を伝える
- 文字数やキーワード含有率は気にしない
- 原則すべて内製
- ライター採用は絶対に妥協しない
メディアおよび記事のコンセプトを固める
ただ、そこまで深く考えていなくて、
- クライアントが伝えたいことはなにか
- クライアントの目的を達成するためには、それをどう伝えればいいのか
くらいです。想定ターゲットのペルソナを作るなどはしていません。
具体的に書くと、
- クライアントの目的:自社商品まわりの誤った知識を是正したい
- クライアントの伝えたいこと:自社商品まわりの正しい知識
- 伝え方:詳しく・わかりやすく・納得できて・役に立つ記事にする
こんな感じ。
ターゲットの属性などを考えなかった理由は、メディアが雑食だからです。クライアントが是正したい知識は、料理のレシピから農薬や遺伝子組み換え技術といった話まで幅広く、知識ジャンルによってターゲットが全く異なります。
だから、記事を書くときに「こういう人が読むだろうな」と軽く想像するくらいに止めてました。
勉強する
メディアの方向性が決まった後、いきなり記事を書いたりテーマリストを作ったりはしません。まずは当然、勉強です。ひたすら農業全般について知識を入れていきました。具体的には、入門書から専門書まで幅広く50冊ほど読みました。
このとき意識していたのは、
- 幅広い難易度の著書に触れる
- インターネットは使わない
くらいです。
前者。この理由は以下の2つです。
- 入門書を辞書代わりに読むと専門書の理解が捗る (知識の習得が早まる)
- 各テーマについて、入門レベルの人はどの程度まで知りたいのかなど、レベルごとのラインがわかる (これが記事を書くときの内容の目安となる)
後者。インターネットは知識が体系化されていないため、深く掘り下げるのには向いてますが、全体を俯瞰して学ぶ必要がある初級者の学習には向いてないと考えてます (そういうサイトがあれば別ですが)
あと、農業体験や屠畜場の見学なども、もちろん行きました。業界の皆さんと同じ水準の体験をするのは難しくとも、現場感くらいは持っていなければいけないというのが持論のため。
テーマリストを作る
勉強したら、その知識をベースに伝えるべきテーマを整理していきます。
ただテーマリストに書くのは、
- 記事のテーマ
- ざっくりした内容 (小見出しだけ洗い出すイメージ)
これくらいです。キーワードとかも考えません (この点については後述)
一方で、とにかく数は洗い出しておきました。最初の時点で200テーマくらい用意しておきました。これは記事が更新できないといったことがないようにするためです (結局、予期せぬ形で更新を止めることになりましたが。苦笑)
メディアに関係するボリューム10〜1,500あたりのキーワードを探す
テーマリストとは別に、キーワードリスト的なものを作ります。ここにはメディアに関係するキーワードのうち、検索ボリュームが10〜1,500のものをリストアップしておきます。
ボリュームや競合の強弱は、ubersuggestで見ています。
他にもいろいろ試しましたが、(ほぼ使わない) 機能が多いせいで費用が高いなどコスパが悪いツールが多く、使い慣れているのもあってubersuggestにしました。こちらでvol (検索ボリューム) 10〜1,500、かつsd (seo難易度) 35未満あたりが、上記の定義に該当するキーワードです。
テーマとキーワードの親和性を調べる
キーワードリストを作りながら、キーワードごとに、Chromeのシークレットモードで1ページ目にどんな記事が上がっているかを調べます。これはテーマリストに並べた各テーマと親和性があるキーワードを探すためです。
具体的には、
- ひたすらキーワードを叩き、検索結果から紐づくニーズを調べる
- テーマリスト=「書くべきコンテンツ」の中に当該ニーズを満たすコンテンツがあったら、同キーワードへ向けて書く (ように依頼する)
といった感じです。
補足しておくと、キーワードを叩いて記事内容を調べ、それに少し水増しする的な書き方はしません (そのやり方は長期的に見て損しかないので)。「同キーワードへ向けて書く」というのは、せいぜい「タイトルにキーワードを入れる」くらいです (具体的にどんな記事を書くかは後述します)
ちなみに、先に検索ボリューム10〜1,500帯のキーワードのみ洗い出した理由は、同帯で競合が弱いキーワード (先の定義のキーワード) は、わりと楽に単ワードで1〜3位が取れる=流入が明確に増えるからです。記事がしっかりしていれば、感覚的に3〜4ヵ月、遅くとも半年で1〜3位を取れる気がします。
詳しく・わかりやすく・納得できて・役に立つようにする
いちばん最初に決めた記事コンセプトに従って書いていきます。具体的には、
- 具体的か
- 網羅的か
- わかりやすいか (素人でも理解できるか)
- 納得感があるか (根拠があるか)
- 役に立つか (読者にとって有益か)
1。
簡単にいえば (なるべく) 一次情報かどうかです。
2。
テーマについて、勉強するのフェーズで押さえた「各レベルに応じた情報」が網羅されているかどうかです。
3。
噛み砕いたり、例えを使ったりして、わかりやすくしているかです。
今回のメディアは、一般に知られていない医療や法律の話がメインなので、この点は特に気をつけています。
なお、よく「専門用語は使わないほうがいい」と言われますが、筆者は逆にバンバン使います。その上で用語の解説を丁寧にしています。
4。
食の安全は命に関わるので、情報のエビデンスは特に徹底して確認します。
エビデンスは基本、以下のカテゴリから拾っています。
- 国際機関 (WHO、CODEX、FAOなど)
- 日本の政府機関 (農林水産省、厚生労働省、経済産業省など)
- 日本の国立機関 (NIID、農研機構など)
- 日本の学術機関
- 各国の政府機関 (アメリカのFDAやUSDAなど)
- 各国の国立機関 (NIFAなど)
- 各国の学術機関
- 上記に準ずると判断できる機関 (公益財団法人、業界内で信頼されている民間企業など)
また、すべての記事で大学の先生方に監修もお願いしています。
5。
単に知識を提供するのではなく、それが読者の日常生活にどう結びついているのか、どう役に立つのか、きちんと伝えています。そうしないと、読んでおしまい (次の購読につながらない) になる可能性が高いと考えているので。
知的好奇心を刺激できているか見極める
知識を提供するタイプのメディアなので、ファンになってもらう、リピーターになってもらう上で必要なのは、読者の知的好奇心を刺激することだと考えています。
より具体的には、読者がコンテンツにふれることで、知的レベルで多少なりステップアップしているかどうか、そしてそれを実感できているかどうか、この点を大切にしています。
(根拠は特にありません。実体験や他案件からの経験則として「そのほうがよさそう」と感じているだけです)
刺激するには、いろいろなやり方があるでしょう。あまり知られていない有益な情報を提供する、難しいテーマについて優しく教えてあげる、などなど。個人的には「読者の脳に、ほどよく負担がかかるコンテンツ」を意識しています (このあたりの詳細はいつか機会があれば)
ネガポジ偏ることなく「正しい情報」を伝える
welqの事件以降、webメディアは正しい情報を伝えることが特に求められていますが (それ以前からそのはずなのですが)、この情報の「正しさ」はどう解釈すればいいのでしょうか。
個人的には、正しさ=事実性と考えています。ネガポジどちらにも寄らず、データなど客観的な根拠に基づく明確な事実「のみ」を伝える。それが正しさ。それをどう解釈するかは、人それぞれに委ねられるべきだと考えています。
たとえば、農薬や肥育ホルモン剤の中には、安全性が医学的に認められているものもあります。これは「事実」です。
ですが、ここで「だから食べても問題ない」と書くのは「正解の押しつけ」だと考えています。事実を踏まえた上で、それが安全な食べ物かどうかの判断は、あくまでも読者に依るべきだと思うからです。
文字数やキーワード含有率は気にしない
よく「長いほうが良い」「キーワード含有率が大事」という声を聞きますが、筆者は気にしていません。このブログでもそうですが、ほかの記事が5,000文字くらいあるのに対して、2,000文字くらいで上回れているキーワードがたくさんあります。
原則すべて内製
わかりやすいところでいくと、フリー画像は使いません。必ず自分で撮るか、クライアントに素材を頂きます。フリー素材と丸わかりの画像があると、それだけで記事の魅力や信頼性を削ぐ恐れが高いと考えています (フリーっぽくないフリー素材なら、稀に使うこともあります)
ライター採用は絶対に妥協しない
外部ライターに仕事を頼む場合、採用で妥協すると後で死ぬほど苦労します。いやもうホントに・・・(自戒)。もし「採用しないと、掲載ペースが維持できない」とかでも、それなら自力で書いたほうがいいと思います。それが無理なら、クライアントにペースを落とす相談をする。いやホントに・・・(何度でも自戒)
ちなみに、筆者の採用活動は、
- 読んだ本の著者へtwitterからDMで直に打診
- 業界関連のブログでいいなと思った人へ直に打診
- indeedに求人を出しっぱなしにする
これだけです。
indeedは、掲載が無料なのに、タイトルや募集文、報酬感を上手いこと調整すると腕の良いライターさんがけっこう引っかかるので、個人的には良かったです。このあたりも時間があれば書きたいなと思います (たぶん書かない)。ちなみに、クラウドソーシング系は漏れなくアウト。稀に良い人いますけど (上から目線)、採用効率が悪すぎるので使っていません。
なお、採用のときは原則ブログのURLを教えてもらってます。他社のメディアで書いてましたという記事は、編集部でガッツリ修正・校正されている可能性があるので、同じメディアで何本も書いていない限りは基本スルーしてます。あくまで "素の文" で実力を判断しています。
*
ほかにも、外部リンクを獲得しやすい仕組みを作る、最低限のseo対策は行う (ex. パンくずの構造化) などいろいろあるのですが、メディア運営の話になってくるので割愛します。
とりあえず、そんなところです。
眠いので、寝ます。