swatanabe’s diary

ラノベ創作、ゲーム、アニメ、仕事の話など。仕事はwebメディアの仕組み作り・アライアンスなど。

オーダーとオファーの違いというか、ほぼオーダーの話

近況
  • 「天結いキャッスルマイスター」ただいま第3章。各章でまったく違う魅力を持つヒロインが登場する、あの見せ方ずるい、止めどころ見つからない。施設造成やキーアイテム作成などの本筋に日常シーンを短く挟む演出は、ストーリーのテンポを崩さずにバックストーリーを補完できて良いですね。ラノベ書くときにも使えそう。第2章でイオルさん可愛すぎてホワホワしてましたが、第3章で登場したミクシュアナが好みにどストライク過ぎてヤバイです早く仲間にしたい。
  • 2020年に購入した同人作品 (同人誌、CG集、ゲーム、音声作品) が、早くも100作を超えました。ヤバイ。少し抑えないと・・・苦笑。
  • 更新しました→読みやすい文章にする上で省くべき単語・表現リスト (更新日:20/05/04)

 

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たまに連絡してくるとダジャレしか言わない知人 (Aさんとします) から、久しぶりに仕事の愚痴が飛んできました。

内容は「気が利かないとかいうアホが多すぎる (原文ママ)」というもの。

Aさんはフリーランスでweb制作の仕事 (コーダー、デザイナー) をしているのですが、その中でたまに「気が利かない」的な文句をいわれるそうです (間接的に)

たとえば、クライアントから「トップのスライダーの画像をこちらに差し替えてください」と依頼が入ったとします。このとき、もらったスライダー画像の中に、明らかなミスではないけど、見る人が見れば変な点があったとしましょう。デザインの多少の崩れとか、表記ゆれとか。

彼女はこうした変な点を変えないままスライダーにセットして納品するわけですが、後でクライアントから「こうした点も気づいたら直しといてくれると助かります」と、ややトゲトゲした感じでいわれるそうです。

 

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クライアントからの依頼には「オーダー」と「オファー」の2種類があります。簡単にいえば、オーダーは注文、オファーは相談です。前者は「これやって」、後者は「どうしたらいい?」。今回のAさんの件は、前者ですね。

 

ちょっと話が逸れますが、筆者自身の話をします。

新卒就活で200社ほど受けて全滅したのは別のところで書きましたが、その大半は営業職でした。ただ、特に営業職志望ではなく、内定式以降のリクナビやマイナビから応募できた案件が、ベンチャーの営業職しかなかったというだけです。あとは新卒紹介会社・新卒派遣会社の登録説明会。

このとき、ナビサイトの職種説明や企業の採用サイトで、何度も「コンサルティング営業」という名前を目にしました。課題解決型営業、提案型営業などいろんな呼び方がありましたが、要は「顧客の課題を見つけ、それを解決できる提案を行う営業」ですね。

 

そんなコンサルティング営業を募集していた多くの会社が売りにしていたポイント、仕事の魅力は「ときに顧客の "これやりたい" に対して、違う提案をすることもある」という点でした。顧客自身が思う施策が課題の解決に適していないと判断される場合、本当に課題を解決できる逆提案する、そんなイメージです。

恥ずかしながら、当時はこれを「本当の顧客志向」だと勘違いしていました。顧客も気づいていないニーズを捉え、それに気づかせてあげ、併せて解決策も提案。なるほど確かに顧客のことを顧客以上に考えているなぁ、と。

そうこうしているうちに「営業とはそういうもの、そうあるべき」「コンサルティング営業カッコいい」と思い込むようになりました。

 

はじめて勤めた教育系ベンチャーにFC営業として就職した後も、このスタンスで仕事をしていました。Aプランの契約を望んでいる顧客に、財務や社員の経験などを踏まえてBのほうが良いと思ったらそちらを提案する、といった具合に。

そして、あるとき上司にこっぴどく怒られました。

怒られた理由は「カレーライス頼まれたのにハヤシライス出すやつがあるか」。お客さんはカレーライスをオーダーしているんだから、言われたとおりカレーライスを出しなさい、と。

 

たしかに、最初から「こうしたほうが良い」と思ったアイデアを実現したほうが、コスト的にも成果的にも良い=クライアントにとって得かもしれません (当時の自分はそう思ってました)

ですが、そこで相手に「いやもっとこうしましょう」と逆提案して良いかと、答えはノーです。相手の社内で決定したことを覆すので、相手も困ります。「いやもう決まったことなんだけど・・・」「え? なに? 俺がいまから上司に『やっぱりこうしませんか?』って言うの?」となってしまいます。

まずオーダーをやる。結果、成果が出ればよし。でなければ、そこで初めて「こうしてみるのはどうでしょう?」と提案する選択肢を検討する。オファーがオーダーに優先することはない (先方が最初からオファーを希望していない限り)。そんなことを教わりました。

 

ちなみにこのときは、お客さんが「社員とも話した結果、やっぱりBにします」と言ってくださったので、クレームや関係崩壊など大事にはなりませんでした。

でも、いまに至るまで肝に銘じ続ける、ホントに大きな失敗でした。

 

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オーダーの内容は、勝手に変えてはいけません。「これやって」といわれたら、それだけやります。まったく違うことをしてはいけませんし、それ以上のこと・それ以下のことをするのもNGです。オーダーにないので。

 

この感覚は、飲食店で考えるとわかりやすいでしょうか。

たとえば、マックで「ダブルバーガーください」と頼んだのに、

  • フィレオフィッシュが出てきた (まったく違うこと)
  • ご一緒にポテトが出てきた (それ以上のこと)
  • パティが1枚だった (それ以下のこと)

こんなことがあったら、お客さんは「いや、違うんですけど・・・」とお怒りになるでしょう。

 

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仮にAさんが先の画像の妙なところを修正して、納品時に「ここもついでに直しておきました」と報告したとします。

結果、あるいは感謝されるかもしれませんが、もしかしたら怒られるかもしれません。「お前なに勝手なことしてんの?」と。

なぜか。なにか理由があって、そうなっている可能性があるからです。

仮に理由があってデザインを崩したり、表記を揺らしたりしていた場合、それを勝手に直したら大トラブルです。Aさんの対応は「気が利いている」のではなく、ただの「ありがた迷惑」「余計なお世話」になってしまうわけですね。

 

じゃあ「ここデザイン崩れてますけど、大丈夫ですか?」と事前に尋ねればいいかというと、ここにも難しい問題があります。

この手の質問は、ともすればミスの指摘になるので、気分を害する人もいます。特に信頼関係がそこまで固くない相手 (初めて一緒に仕事する相手など) だと余計に。

結果、その後のプロジェクトの進捗に悪影響が及ぶ恐れもあります。人間観察力やバランス感覚がある人はそれとなく対応できると思いますが、意外と高難度な対応じゃないかなと。

 

Aさんから勇気を出して「これ大丈夫ですか?」と聞かなかったのも、正直うーんとは思いますが、このあたり個々人の性格や考え方にもよるので、なんともいえません (筆者はズケズケ聞いてしまうタイプ)。言い換えれば、受注側のコントロールに委ねにくい点だからこそ、発注側がしっかり管理すべきだと思います。

とにもかくにも、発注者がオーダーに盛り込まなかったことをやってくれなかったからといって、受注者に「気が利かない」と言ってはいけないと、個人的には思います。

 

とりあえず、そんなところです。

眠いので、寝ます。