swatanabe’s diary

ラノベ創作、ゲーム、アニメ、仕事の話など。仕事はwebメディアの仕組み作り・アライアンスなど。

小説における固有名詞の使い方について

直近に書いた作品で、あえてガンガン固有名詞を使って書いてみたので、そのとき感じたことでもつらつらと。

 

     *

 

創作における固有名詞の使い方には、4種類あると思います。

  1. そのまま書く
  2. 似た名前に置換して書く
  3. 抽象化して書く
  4. 書かない

4を使い方に含めるのもどうかと思いますが、話を進める都合上、あえて入れておきます。

具体的には、

  1. ツイッター
  2. ツイーター
  3. SNS
  4. 書かない

とか

  1. レクサス
  2. ネクサス
  3. 日本の高級車
  4. 書かない

とか。良い例が思いつかなかったので、やっつけ感ハンパないですが、ご容赦。

 

2は、名称が商標登録されている場合に使われるケースが代表的だと思います。1の物やサービスであることを明示したいけど、そのまま書けない、だから似た名前に置換しようというわけですね。

で。

最近、この固有名詞の使われ方が少し気になっていまして。

 

たとえば、ツイッターは1で使えないので、基本は2と3のいずれかを選択することになると思います。

このとき単に「SNS」と書くと、SNSって他にもたくさんあるので、人によって想像するものが違ってくる可能性が高いです。Facebookの人もいれば、Instagramの人もいれば、twitterの人もいるでしょう。

そして、これらSNSは全く違った使われ方をします。だから、単に「SNS」とだけ書くと、作中のSNSを使う描写と読者のSNSを使う想像が食い違う可能性があります。

そのため、できれば2で書くのが良いのかなと、個人的には思っています(一読しただけでツイッターのことだと分かる見事な代替表現があるかもしれませんが)

 

ただ、レクサスの場合、どうでしょう。

作中で「レクサスに乗って」と書かれると、当然ですが、レクサスを分からない人には「どんな車?」となります。「豊田自動車のネクサス」とそれっぽく書いても「トヨタ自動車の車なんだな」までは分かるでしょうが、モデルとなったレクサスのフォルムをパッと思い浮かべられる人のほうが珍しい気がします(そうでもない?)

そのため「日本の高級車」のように、あえて漠然と書いたほうがいいのではないかと個人的には考えています。

「SNS」の場合、先述のとおり使い方が違うため、描写と想像の食い違いという弊害を生じる可能性があります。よって、ツイッターは2でないと厳しいですが(そうしなければならない必然性が強い)、車はどんなブランドでも乗車中の様子に違いはない(必然性が弱い)ので、3のほうがベターな気がします。

 

     *

 

固有名詞のもうひとつの弊害に、そちらに意識が引っ張られてしまう、というのもあると思っています。

 

これは自分が小説を読んでいるとき、特にキャラクター描写を目にするとよくあるのですが、服装や髪型が固有名詞で説明されていると、その固有名詞が強く頭に残ってしまい、それがキャラクターの印象のすべてになってしまうのです。

で。ふと次に登場したとき、頭の中にキャラクターの造形は欠片もなく、その子がどんな子なのかまるで思い出せません。頭に残っているのは「エルメスのバッグを持った、ショートボブの、ワンピースを着た女性」という固有名詞だけで、はてどんな子だったっけ? と困惑する羽目に。

 

ライトノベルの場合、ヒロインの人数が多いので、どうしても外見を分ける必要があります。で、そのためのツールとして固有名詞は非常に強力です。単語一つで外見的特徴を付与できるので長々と説明臭い感じになりませんし、知っている人には一発で伝わります。

ただ、これは「キャラクターの外見が分かれた」だけで「キャラクターそのものの特徴が分かれた」わけではないので、外見的特徴の固有名詞だけでキャラクターを書き分けると(正確には書き分けたと思い込むと)、やがて再び登場したときに「君、誰?」となってしまう可能性が高いと感じます。

作者自身はキャラクターの違いを自然と理解できる(できてしまう)ので、この弊害に気づきにくいのも厄介かなと。自分自身、ライトノベルを書き始めたばかりの頃、よくこの失敗をやらかしたので、より強く感じます。

 

なんか話がずれてきたのと混乱してきたので、とりあえずそんなところです。

まとまってないので、あとで少し直すかもしれません。

 

眠いので、寝ます。