swatanabe’s diary

ラノベ創作、ゲーム、アニメ、仕事の話など。仕事はwebメディアの仕組み作り・アライアンスなど。

転職エントリー vol.03 / なぜ3度目の転職活動だけ上手くいったのか

予告通り、3回目の転職活動について振り返っていこうと思う。

 

時期でいえば、2016年12月。ライトノベル作家をめざしてニートをやっていたが、ついに貯金が尽きて再就職を余儀なくされての転職だった。正直、億劫だった。

だが、結果からいえば、このときの転職は大成功だった。欠片も辛いと思うことなく、たった20日で終わり、少なくとも知り得た中で最も良い会社に入社できた。

 

では、なぜうまくいったのか。

それは「本音でやりきったから」だった。

 

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最初に当時の筆者のスペックを振り返っておきたいと思う。

  • 新卒で内定が出ず、派遣社員で社員15人のベンチャーに入社するも、3ヵ月で退職。理由はすでに書いたので割愛。
  • 3ヵ月後、転職。10ヵ月で転職。理由は割愛。
  • 3社目に入社。ラノベ作家になるための修行がしたいと、2年11ヵ月で退職。
  • これまで3年つづいた会社がなく、退職理由もどれもネガティブ。正社員だったことも一度もない。
  • 過去の転職活動では、100社ほど応募して書類通過が20社ほど。面接通過は内定先のみ(ほかはすべて一次落ち)
  • これまでの会社でMVPなどの受賞歴はいっさいなし。

要は、別に大した社員ではなかった。

 

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就活に取り組んだ期間は、2016年12月3日から同年12月29日まで。所要27日だった。

  • 12月3日   : 就活開始、進路について考え出す
  • 12月12日 : 利用する人材紹介会社を決定、紹介された企業の分析
  • 12月19日 : 入社先の1次面接+実技試験
  • 12月28日 : 入社先の最終面接+筆記試験
  • 12月29日 : 2社目の1次面接、1社目の内定

最終的に面接を受けたのは、2社のみ。うち1社から内定を頂き、もう1社は辞退した。

 

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このとき意識したことは、ざっと以下の6つ。

  1. 仕事は選ぶ
  2. 会社は選ばない
  3. 人材紹介会社には、本音だけ伝える
  4. 本音は具体的に伝える
  5. 履歴書・職歴書にも、本音だけ書く
  6. 面接の事前回答集は作らない

 

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1について。

よく「仕事はできることから探すべき」というが、個人的にはこれが理解できない。理由は単純で、やりたくないことが続いた試しが過去にないから。「やっているうちに楽しくなってくる」ともいわれるが、少なくとも端から興味を持てなかったことが楽しくなった経験もないので、この考えは自分に向かないと思った。おそらく好き嫌いの感度が人とずれているのが原因だろうとは思う。

だから、仕事は「やりたいこと」から選ぶと決め、最終的に「書く」仕事1本に絞った。ライター、編集、この2つ。人材紹介会社からは営業も進められたが (営業経験があった)、キッパリ「やりたくないので大丈夫です」と断った。

 

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2について。

仕事は選ぶが、会社は選ばなかった。前回までにご覧いただいたように、筆者はキャリアが汚れきっているため、仕事は選べても会社は選べない。端から大手はすべて捨て、100人規模の人手に困ってると思われる会社だけに集中して就活した。

 

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3について。

キャリアが汚れ切っているため、とにかく数 (応募)を打つ必要があったので、人材紹介会社 (エージェント) を頼った。だが、管理工数を増やしたくなかったので、利用は1社だけにした。

エージェントはたくさんあり、それぞれ特徴が違う。企業によっては、キャリアが汚れている人には、とりあえず営業職ばかりが回されるといったことは今でも普通にあるため、慎重に選ばなければならない。

筆者の場合、エージェントに求めた条件は、 

  • とにかく数を打ってくれる
  • こちらの「仕事は選ぶが、会社は選ばない」姿勢を受け入れてくれる

であり、最終的にこれらを満たすW社を利用した。別に名前を隠す必要もないので書いておくと、ワークポート社 (以下、W社) だ。

W社の紹介の理念は「実際に企業の人と会って、話して、確かめてもらう」のため、とにかく数を打ってくれる=紹介してくれる。「企業の人と会わないと、合う合わないがわからない」というスタンスのため、厳選して活動したい人、腰を据えて時間をかけながら活動したい人には合わない会社だと思うが、個人的には良かった。コンサルのフットワークが軽く、案件の幅も広かったので、どんどんいろんな会社を知ることができた。

ちなみに、こうしたエージェントの理念は、ホームページなどを見ても出ていないことが多い (あえて辛辣な言い方をするが、どこも抽象的な綺麗事しか書いていない)。そのため問い合わせたり、一度は登録してコンサルと会ったりして、確認するしかない。

(ちなみに、筆者はもともと大きめの人材サービス会社で働いていたので、このあたりは業界知識として持っていた)

 

そして、エージェントには本音しか伝えなかった。たとえば、

  • 営業をやる気はない
  • 仕事はお金を稼ぐためのものである
  • 現場仕事が好きなため、過度にマネジメント側には回りたくない
  • とりあえずやってみて怒られたらやめればいい的なスタンスには共感できない

など。どんな些細なことでも伝えておいた。

転職を失敗するケースとして最も多いのが、押しに弱い転職志望者がコンサルから「営業職はどうですか?」などといわれ、断るのが申し訳なくて「じゃあ一応・・・」などと受けてしまうケース。結果、希望と違う案件ばかり紹介されて、泣く泣くそちらを選び、入社後に後悔する・・・そんなケースは未だに後を絶たないと聞く。

人によっては相手に気を遣ってしまうかもしれないが、遠慮して内定が出なければ、エージェントの実績にもならない。だから「相手のためにもここは断るのが一番」くらいの気持ちがベターである。

 

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4について。

本音は具体化しなければならない。

たとえば「アットホームな会社がいい」と希望を伝えたとしよう。すると、エージェントはそれに合った案件を探してくれる。

だが、そもそも「アットホーム」というのは人によって捉え方が違う。和気あいあいとした仲が良いのを「アットホーム」と感じる人もいれば、みんながあだなで呼び合う雰囲気を「アットホーム」と感じる人もいる。千差万別だ。

当然だが、前者のように感じるコンサルは、後者の会社を紹介してはくれない。だが、もし応募者にとっての「アットホーム」が後者だと、この時点ですでにミスマッチが発生する。

 

ここは最も気をつけたところだった。本当に細かい点まで、とにかく具体的に洗い出して伝えた。以下のような感じだ。

  • 記事は、量より質というタイプ。●●●●のプロジェクトを離れたのも、記事数を優先する同社と合わなかったためだった。
  • データ集めや調査などに抵抗はない、執筆もその手の記事のほうが得意。
  • 興味のあることであれば、とことん勉強できる。
  • 良くも悪くも、こだわりが強い。こうあるべきだと確信したら、それは譲れない。
  • よく人から「そこまでする必要ある?」と言われるレベルまでクオリティを追求するタイプ。クオリティよりスピードを重視する会社とは合わない。
  • よく「ドM」と言われる。
  • 瞬発力が必要な受け答えは苦手。じっくり考えて答えを出すタイプ。
  • シンプルイズベストが好き。ワンカラム、モノトーンなど。
  • 年上に好かれやすいタイプ。

これらは、エージェントに提出した履歴書に書いた自分の特徴の一部だ (本当に上のまま書いて出している)。実際は、具体的な仕事のシチュエーションも付記して、その特徴が仕事においてどう機能・影響していたのか、さらに詳しく書いておいた。

 

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5について。

企業へ提出する履歴書、職歴書も4と同様に対応した。本音しか書かなかった。「仕事はお金のためにやるもので、仕事を通じて実現したいことなどは特にありません」などと普通に書いていた。

なぜ詳しく書くかというと、抽象化すると「とりあえず会ってみよう」と考える企業が出るからだ。2と言っていることが違うように見えるが、お互い会っても時間の無駄になる会社に応募する理由はない。相手にも迷惑だ。

だから、とにかく具体的に書き、書類での落選率をあえて上げるようにした。本当に可能性がある企業との面接のみに絞るために。これは結果的にやって良かったと思っている。

 

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6について。

このときの就活に際して、面接前の事前準備はいっさいしなかった。対策本を読んだり、よくある質問の回答を用意したりといった作業は、いっさい放棄。面接1時間前にはカフェで小説を書いたり、本を読んだりしていた。

理由は単純で、過去にそれでうまくいった面接が一度もなかったから。

だから、このときは就活開始前から「絶対に面接の事前準備はしない。訊かれたことに本音のまま答える」と決めていた。そのぶん面接前の事前準備 (職歴書作成や会社探しなど) を徹底した。

 

ここが、このとき就活とそれまでの就活・転職活動との大きな違いだった。

これまでは、会社に合わせて自分のアピール内容をつくることに注力していた。やりたいことや志望動機で本音でもないことをアピールした経験は数え切れない。

対して、このときは、

  • 自分が本音のままに話しても大丈夫な (マッチする) 会社を探すこと
  • 普段から何に取り組むにつけても「なぜそうするのか?」という理由をもって取り組むこと

の2点をなによりも意識していた。この2つがしっかりしていれば、面接でどんなことを訊かれようと、よほど変化球な質問でなければ大抵、答えられると気づいたのが大きかった。普段から取り組んでいること・心がけていることは、自然と言葉になる。

 

実際、面接でも、

  • 「仕事は生活費を稼ぐためだけのものです。作家になりたいということ以外、やりたいことはありません」
  • 「キャリアを積んだり、スキルを磨いたりすることには、あまり興味がありません」
  • 「仕事にやる気は必要ないと思います」

などと平気で答えていた。もちろん投げっぱなしではなく「なぜそう思うのか」はきちんと説明した上で。

 

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このように、3度目の転職活動はかなり乱暴なやり方だった。だがそのおかげか、ストレスはほとんどなく、望んだ会社にも就職できた。そのため、次回も同じスタンスでいこうと思っている。