このあいだ過去に頂いたある2つのレビューを眺めていて、ふとキャラクター評価の内訳について思うところがあったので備忘。
きっかけとなったレビューは以下の2つです。
評価項目および評価内容は、あくまでもサンプルです。実際のレビュー内容ではないので、その点は含み置きをば(そのまま外には出せないので)
注目していただきたいのは、色が濃いところ(どこだよ)。キャラクター、総合評価、選考段階の3つ。作品Aは最終選考まで進み、作品Bは二次選考で落ちました。ですが、キャラクターを除き全体的に評価が高いのは、むしろ作品Bでした。
ここから「受賞のためには、少なくともキャラクター評価4以上が必須である」可能性が見えてきます(あるいは5かもしれませんが)
次に興味深かったのが、評価5と評価3の違い。
両作品の違いとして大きかったのは、キャラクター同士の関係性が見えるかどうか。このときの作品B(評価3)は、主人公と敵方との関係性が見えにくい(主人公が敵方を恨みに思う背景が見えにくい)ことが大きなマイナス要因となっていました。
それ以外にとりたててネガティブコメントがなかったことから、このマイナスがキャラクター評価を下げた要因であることが予想されます。
さてなにが興味深いかというと、このマイナスがストーリー評価ではなくキャラクター評価に該当したと思われる点です。個人的にキャラクターの相関関係およびその背景描写不足はストーリー(厳密には構成)評価の範疇だと考えていたので、少し意外でした(関係性そのものや背景設定の内容がキャラクター評価に該当し、その見せ方はストーリー評価に関係すると思っていました)
少しごちゃごちゃしてきたので整理しますと。
キャラクターの関係性の評価には、次の3要素が含まれると思われます。
- キャラクター同士の関係性(対立構造など)の内容
- キャラクター同士の関係性を支える背後構造(歴史など)の内容
- その関係性がストーリーの中で明確化されているか
1.は、キャラクター同士がどういう関係性にあるのかという意味。2.は、1.の関係性がどういう経緯で生じたのかという意味。3.は、それらが作品のなかにきちんと落としこまれているのかという意味です。
筆者はこのうち、1.(内容)と2.(その背景)はキャラクター評価、3.(それが作品のなかで効果的に見せられているか)はストーリー評価に該当すると考えていました。ですがレビューを見る限り、どうやらすべてキャラクター評価の模様です。
もちろん関係性とは別にキャラクターそれ自身の魅力という評価項目もあるので、関係性だけ頑張っても評価は上がらないので、そこは注意しなければいけません。個人的な感覚値ですと、どちらか一方だけではどう頑張っても3までしかいかない印象です。
書いていて、もの凄く今更感ありますが、とりあえず忘れないように。